それでも強く生き抜いて...3

# ページ6

涼介side




もう一生、話すことができないと思っていた
Aの意識が戻った。







"奇跡" って本当に起こるものなんだね...









薄っすらと開いた目で、貴方は何を見ているのかな？







俺のことは見えている？







何を考えているの？









聞きたいことは沢山あるのに...


言葉が一つも出てこなかった。
.









.









.









.









.

僅かに動き出すAの口。





貴「み........ぁ」




はっきりとした言葉はもちろん...


普通の声すらも出ていなくて...


聞き取ることが難しかった。







光「A？」








貴「み.........ん........ぁ」
((みんな))




みんな...？





貴「せ.....ん........せ.」
((先生))






先「.....っ...はい...」






貴「あ......ぃ.....が.........と.........ぅ...」
((ありがとう))





"ピーーーーーーーー"







固く閉じられたAの瞳からは

一筋の涙が流れていた。








え...






大「A...？」






圭「嘘でしょ.....？冗談だよね？ねぇ！？」








みんなの声が遠くに聞こえる。









え...？なんで...？なんで...？なんで...？






『なんでだよ！
まだ俺の返事、聞いてねぇーだろ！？
勝手に死ぬなよ！Aっ！！！』

.







.








.









.









.









.









.









.
精一杯生き抜いた証である Aの病室には




無機質な機械の音と...俺らの泣き声が響き渡った。

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