それでも強く生き抜いて...

# ページ33

涼介side



AにLINEを送ってから約5分...



マネ「着いたぞ。涼介、雄也を起こして。」





中田さんに言われた通り

隣で爆睡している雄也を叩き起こして車を降りる。






『お昼ご飯を買っていかないとな〜』




雄「Aに
「私が言えることじゃないけど...アイドルは健康管理が1番大事なんだよ！？分かってる？ちゃんと食べないとダメだよ！」って怒られちゃうもんね笑」






そんな話をしながらコンビニでお昼ご飯を買い

今はもうAの病室の前。





"トントン"




貴「どうぞ〜」




"ガラガラガラ"




『A〜』




雄「お待たせ〜」






病室に入った瞬間に目に入るAの姿。





もともと細かったAだけど...


病気の影響で、食欲が大幅に落ちてしまったAは驚くほど痩せてしまった。






そんなAを見るのが辛くて、目を合わせられなくなってしまった俺だったのだが...





雄「えー！！髪の毛！」




という雄也の興奮した声に反応して

ついついAを見てしまった。







細い腕、真っ青な顔とは対照的な明るいロングh...ん？黒髪？ボブカット？





『A！髪型変えたの？』




貴「うん！どうかな？変？」




雄「めっちゃ可愛い！」





『めっちゃ可愛いよ。だけど、急にどうしたの？』






貴「髪の毛が長いと、治療の邪魔になるかな？って
ずっと思ってたんだけど、なかなかタイミングがなくて...

抗がん剤治療が始まっちゃったら
しばらく病室から出られなくなっちゃうじゃん？
だから、思い切って午前中に切っちゃったの。

まぁ、結局は副作用で抜けちゃうだけどね...」





『Aの黒髪って3年ぶりくらいだよね？
どんな髪型でも、似合うところが羨ましい〜』





雄「確かに久しぶりだわ〜」





貴「ドラマで黒髪にした時以来だもんね笑
特に意識はしていなかったけれど...
随分、長い間明るい髪色で生活していたんだね笑」






髪色の話題で盛り上がるAと雄也を横目に反省する。









本当は...


Aの、治療に対する覚悟を
しっかりと受け止めてあげないといけないのに...





俺は弱虫だから...


怖がりだから...


受け止める前に話題を変えてしまった。







貴「りょ....け？りょう...け！りょうすけ！涼介！！」




『ん？...あっ！ゴメン！ボーとしてた笑』




貴「え？体調悪いの？」




『ううん。大丈夫だよ。
それより、お昼ご飯を食べようよ！』

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