それでも強く生き抜いて...

# ページ31

Aside



安藤先生が出て行った後

すぐに社長に電話をかけた。




♪プルルルルルル プルルルルルル♪



社長「はいはい。」



『あっ...もしもし。Hey! Say! JUMPの桜田です。』



社長「おお！youかぁ〜
体調はどうだい？もしかして復帰の電話？」




『復帰はまだですよ笑
体調が安定しているので、今日から抗がん剤治療を始めます。』




社長「そうか。そうか。
安定しているのなら良かった。」





『あの...さっき、安藤先生から治療に必要なお金を
事務所が負担してくれているって聞いたのですが...』





社長「そうそう。youに言ってなかったよね？
youの担当医から、治療代と部屋代が高額請求になるって聞いてさ〜
youはこれからの人間じゃん？
それなのにお金がなくなったら困るでしょ？」





『いやいやいや。
事務所には、私の他にも沢山のタレントが所属しています。それなのに、事務所に迷惑をかけるなんて申し訳ないです。
これでも、13年近く働いていますし...
治療代くらいは自分で支払えます。』





社長「いや。meが支払いたいんだ。
youには沢山の迷惑と苦労をかけているからね。」





『でも...』




社長「どうしても...というのなら
meが治療代と部屋代を支払う代わりに
youが活動休止をしている間の固定給料の支払いを止めよう。それならどうだい？」





『...分かりました。ありがとうございます。』




社長「お金以外でも、meが出来ることは何でもするからね。他に困ったことがあったら、すぐに連絡をしてくれよ。」





『本当にありがとうございます。』





社長「いやいや。
これくらい、youにかけてきた負担に比べれば可愛いものだよ。それじゃあ、治療頑張るんだよ。」





"ブチッ"






優しすぎる社長...




ふと気がつくと、いつの間にか看護師さんが入ってきていた。




『あっ！お待たせしてすみません。』




看護師「いえいえ。今、お時間大丈夫ですか？」




『はい。大丈夫です。』




看護師「抗がん剤の点滴についてです。
明日からは午前中になる予定ですが、今日は初日なので15時から始めます。
昼食はちゃんと時間通りに食べてくださいね。
あと、トイレは済ましておいてください。
その他の詳しい話は、点滴開始時に先生から説明があります。」





『あの...治療を始める前にロビーのところにある
お店に行っても大丈夫ですか？』





看護師「今なら大丈夫ですよ。」





『ありがとうございます。』

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