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目黒side




『ひまわり薬局...』




ラウ「え...違う病院に行ったってこと...?」






思わずラウールと顔を見合わせる。







ラウ「めめ、薬の数を数えよう...」





慌てて薬の袋をひっくり返して、中身を確認する。





『睡眠薬は3シートで30錠の処方になっている。
静止安定剤は9シートで90錠。』




ラウ「睡眠楽は、1、2、3シート。
シート数はあっているけど、6錠無くなっている。」





『...この薬、1日1回1錠までなのに...
2日間で6錠って...』





ラウ「...っ...」





『...もう一つの方は?』





ラウ「精神安定剤は、1、2、3、4、5。
4シート足りない...っ..」




『っ!くそっ!!!!』





握った拳を、何度も何度も床に叩きつけた。




それくらいに悔しくて、苦しくて...
とにかく胸が張り裂けそうだった。






ラウ「なんで気づけなかったんだ!!!
違う病院に行くほどまでに、限界だったのにどうして!!」





ラウの悲鳴にも似た叫び声が聞こえる。






後悔したってしきれない。




これまで東大和病院以外に行かなかったAちゃんが
他の病院をすがらないとやっていけないくらい限界だったというのに、俺達は何をしていた?





"ODにならなくてよかった"


"早く気づいてよかった"





そう言って、勝手に守った気になって
現実から目を背けていただけじゃないか!!



最低だ。ホントに最低だ!







ラウ「...めめ、早く戻ろう。
すぐにみんなに伝えないと。これ以上は無理だよ。」




『ラウ...』





ラウ「俺だってめちゃくちゃ悔しいけど...
起きてしまったことは仕方ない。

今、出来ることをするしかないんだよ。」






そう言って立ち上がったラウールは
俺が知っている過去のラウールよりも
何十倍も何百倍も強くなっていた。






『...そうだな。早く戻って、みんなに伝えよう。』




ラウ「...あれ、念の為に持っていく?」




『...どうせ回収しないといけないし、持って行こう。』






これ以上、無理なんてしてほしくないけれど
どっちにしろ衣装の回収が必要だからと理由をつけて
念の為にハロハロの衣装。






ラウ「これらも持って行ったほうがいいよね?」




『うん。持っていこう。』





Aちゃんの私服とカバンを手に取って
足早に楽屋を飛び出した。

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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2021年10月28日 19時

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