カウンセリング ページ9
.
.
"トントン"
隅木「どうぞ」
『おはようございます。隅木先生。』
隅木「Aちゃん、おはよう。」
笑顔で迎え入れてくれるのは
カウンセラーの隅木先生。
前回、入院した後に決意した通り
私は3月末から隅木先生のもとで病気克服のために
カウンセリング治療を始めた。
自分の過去と向き合い、弱い自分と向き合う。
物凄く辛くて、苦しくて、逃げ出したくなるけれど
メンバーのことを思い出して、なんとか耐えて...
だけど、やっぱり辛くて...
『隅木先生...』
隅木「ん？どうした？」
『...本当に認知行動療法は意味がありますか？』
隅木「...辛い？」
『うん...』
隅木「この治療法は時間がかかるし、何度も話すから苦しいね。でも、Aちゃんはすごく頑張っているよ。
...今日はどうする？辞めておく？」
『...頑張るって決めたから。』
隅木「そっか。じゃあ始めるよ。」
『お願いします。』
.
.
.
.
『電話がかかってきて...』
隅木「誰からの電話？」
『知らない番号で...
電話に出たら東大和病院からで..っ..』
隅木「それでどうしたの？」
『慌ててレッスン場に戻って...』
隅木「天気は？周りの様子がどうだった？」
『外は大雨で...だけど傘をさせなくて..っ..
それで..っ..それで..っ...』
無意識のうちに手が震える。
当時の情景が一つ一つ思い出されて、息が上がる。
無意識の間に蓋をしていた
"あの時の感情" が溢れ出す。
何度も頭を駆け巡った後悔。
なんであの時...という葛藤。
私さえいなければ...という自責の念。
私の心は間違いなく
あの時、あの場所に戻っていた。
.
.
.
.
.
隅木「今日はもう終わりにしようか。」
『まだ..っ..まだ出来る..っ..』
隅木「無理したって意味ないからね。
ゆっくり進めていこう。」
『でも..っ..はっ...はぁ...」
隅木「うん、わかっているよ。だけど焦りは禁物。
ゆっくり進んでいっても誰も怒らないからね。
一回、ゆっくり息を吐いてみよう。」
パニック状態になった私を必死に宥めてくれるけれど
なかなか上手に息が出来るようにならなくて...
このまま死ぬんじゃないかって、また不安になった。
隅木「大丈夫だよ。
ちょっと橘先生に来てもらおうね。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7354人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Ally - いつも作品読ませていただいています！すの日常は有料なので抜粋でも掲載しない方が思います。アレンジ加えていても同じ文章があるので…。 (2021年10月20日 1時) (
レス) id: f15e1ac5e2 (このIDを非表示/違反報告)
たまごボーロ(プロフ) - いつも楽しみにしてます！頑張ってください！ (2021年10月7日 12時) (レス) @page27 id: c5a7976f82 (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー(プロフ) - Ayakaさん» コメントありがとうございます。もしかしてお題箱でも聞いてくださいましたか...？もしそうでしたらお返事が埋まってしまったかもしれないです（ ; ; ）すみません。part3の冒頭部分に過去語りのシーンがあり、そこに記載してあります。ぜひ読んでみてください！ (2021年9月28日 11時) (レス) id: 821cf37f6e (このIDを非表示/違反報告)
Ayaka(プロフ) - いつも楽しく読んでいます！！1つ聞きたいことがあります！カウンセリングの回のお話で家族が亡くなったことが書かれていると思うのですが...家族の事故のことは今回初めて出てきましたか？？もし前回に出てきていましたら、どの辺か教えていただきたいです！！ (2021年9月28日 11時) (レス) id: 33ff399a72 (このIDを非表示/違反報告)
豚骨ラーメン(プロフ) - 鈴木亮平さんが大好きなので名前だけでも出していただけてとっても嬉しいです！ありがとうございます！ (2021年9月18日 13時) (レス) id: d97cd47bcf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みるくてぃー
| 作成日時：2021年9月12日 23時
