10人目は頑張り屋さん21

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ーだけど結局、HiHiJetsのメンバーとして活動することになった。

「HiHiJetsのお披露目の日のこと、今でもはっきりと覚えている。あの日、あの時の光景は、もう二度と誰にも見せたくない。それくらいに酷かった。

その後も、先輩のコンサートに出演したら、私が見る方向にはアンチの団扇しかない。ポスターの顔写真は黒く塗り潰されたり切り刻まれたりして、ファンレターにはカッターの刃や盗撮写真が大量に封入されるようになった。」



ーまだ17歳。辛いと感じることも多かったんじゃない？

「もちろん辛かったよ。

だけどもっと辛かったのは、私の団扇を持ってくれている子が馬鹿にされているのを見たとき。
自分を応援してくれているがために、ファンの子が辛い思いをしていると思うと、悔しくて苦しかった。
当時のファンの子達に対する申し訳ないという気持ちは未だに消えていないよ。」



ーそんな辛い状況が続く中、HiHiJetsは紆余曲折しながらも着実に成長していった。

「舞台の仕事が立て続けに決まって、5人のHiHiJetとしての活動がはじまっても、私がいるせいでアンチは絶えなくて。きっと周りの大人の中には嫌な顔をしていた人もいたはずなのに、4人は一度だって私のことを邪魔者扱いしないから...彼らの本音が逆に分からなくなって、何を信じていいのか不安になったなぁ。」



ー5人としての活動が軌道に乗り始めた2017年。
シアタークリエでの公演中にメンバーからファンの人に向けて、涙の訴えがあった。Aちゃんは事前に知っていたの？

「知らないよ。自分達の未来を失う可能性がある選択だもん。もし知っていたら確実に止めていた。」



ーそうだよね。

「初日の最終挨拶の時、怪我をして休演だったはずの蒼弥がステージ上に出てきて...
私は知らなかったんだけど、事務所の人に初日だから挨拶だけは5人でやりたいってお願いしたらしいんです。それで、事務所の人も挨拶だけならってOKしたみたいで。

だけど、彼らは感謝の挨拶だけじゃなくて、私を守るための挨拶もした。事務所にも私にも内緒で、4人だけで話し合っていたみたいで...
言葉にしたら自分達が責められるかもしれないのに、私よりも歳下で後輩の彼らが、自分達のジャニーズ人生をかけて必死に守ろうとしてくれた。
その気持ちが、すっごく嬉しかった。」

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