手を伸ばして ページ28
翔太side
風磨から電話を貰った後
心配と不安で目が冴えて、全然眠れなかった俺は
完全に寝不足の状態で仕事に向かった。
今日は、涼太とふっかと照でラジオ収録。
俺達4人は昼過ぎ終わり。
他のメンバーはロケだったり、撮影だったりで
一日中、仕事をしている。
深「翔太。この後、飯行こうぜ。」
『あー、悪い。
俺さ、Aの家に行こうと思ってて。』
照「Aの家？」
舘「なんで？なんかあったの？」
楽屋にいた照と涼太も食いついてきて
全部話した方がいいんじゃないかと思った俺は
昨日の夜に風磨から聞いたことを3人に伝えた。
深「それ、マジで言ってんの？」
『うん。
ここ最近、グループの仕事がなかったから
俺達は気づかなかったけど...
Aと一番近いところにいる風磨が
そう言うってことは、何かあるんだと思う。』
舘「Aって、今日は？」
照「午前中は雑誌撮影。
午後のロケは雨のために中止になったって
斎藤さんが言っていたから、午後はオフのはず。」
舘「...すぐに行こう。」
『うん...』
みんなが不安になるには十分すぎる状態だった。
何も知らない奴らは
「どんだけ短いスパンで不安定な状態になるの？」
って笑うかもしれない。
だけど俺達は分かっている。
そもそも、批判の声が届きやすい
この業界は、ストレス社会でしかない。
実力があるのに、世間の声に潰されて
業界を去っていく人間を何人も見てきた。
Aは実力も、名声もあるのに
“ジャニーズ事務所の紅一点”
という肩書きがあるだけで
俺達の10倍...いや100倍の批判に晒されている。
もともと過去に辛い思いをして
心が脆くなっているAにとって
それらは鋭い刃物でしかなくて...
何度も心を抉られて、傷が塞がる前にまた抉られて...
俺だったら、多分もう逃げ出していると思う。
だけど...
それでもAは、俺達の元にいてくれている。
それが、どれだけ凄いことか、
どれだけ頑張ってくれていることか、
何も知らない奴に分かるとは思わないし
分かって欲しいとも思わない。
だけど、俺達の邪魔をしないで欲しい。
俺達がAを支えることは義務じゃなくて
俺達の望みであって、願いなんだから
余計なことを騒ぎ立てないでほしい。
車の窓ガラスを叩く激しい雨は
まるで俺の心の中を表しているようで虚しくなった。
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妙子(プロフ) - いつも更新お疲れ様です。この小説毎回楽しみです。これからも応援してます！頑張って下さいね。作者さんの言葉一つ一つ伝わってきます (2021年6月23日 21時) (
レス) id: 71d8043231 (このIDを非表示/違反報告)
みいやん(プロフ) - いつも更新お疲れ様です。この小説がとても好きです…！作者さんが伝えたいことが、ひしひしとこっちに伝わってきます。ずっとずっと応援しています。これからも更新頑張って下さい!! (2021年6月22日 21時) (レス) id: 681f9fbf66 (このIDを非表示/違反報告)
翔子 - 更新頑張ってください (2021年6月22日 17時) (レス) id: 21856ce480 (このIDを非表示/違反報告)
咲舞(プロフ) - 今回も更新ありがとうございます！今回も素敵でした。重暗いお話が好みなので明日からの更新がとても楽しみです！ご自分のペースで頑張ってください。 (2021年6月17日 0時) (レス) id: 1154bf8b89 (このIDを非表示/違反報告)
むち(プロフ) - むりせず、頑張ってください！！楽しみです！ (2021年6月17日 0時) (レス) id: fc08b9a7cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みるくてぃー
| 作成日時：2021年6月6日 16時
