10人目は頑張り屋さん14

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照side



蓮「昨日、アクロバット教室に行ったんですけど
なんとなく間隔が掴めてきたんです。

だから見てもらいたくて...」




『レッスン終わりじゃダメなの？』




蓮「この後、すぐに教場関係の雑誌撮影があって...」




Aばかりに、目が行きがちだけど
そういえば目黒も今、めちゃくちゃ忙しいんだった。




『あー、そういうことか。
分かった。とりあえずバク転をやってみな？』




どこからか持ってきたマットを床に敷いて
準備万端な目黒に言うと、頷いてフォームを作る。




蓮「いきます。」



グッと力を入れてバク転をする目黒の補助をしながら
悪いところを探す。




『真上に飛びすぎ。あと腕の振りがまだ遅い。』




蓮「どのくらい斜めに飛ぶべきか分からない。」




『とりあえず、見て覚えて。感覚はそれから。』





そう言って、いつも通りバク転をした。




だけど...


FNSまで時間がない。


だから早く完璧な状態にしないと。


まずは俺が完璧に踊らないと。



これまでになく過密スケジュールが続く中で
無意識のうちに焦っていたのかもしれない。



なんとなく震えた足を誤魔化して
飛んだのが間違えだった。




『あっ！！』



蓮「岩本くん！！」




まさかの着地失敗。




それだけでもダサいのに

目黒が大きな声で叫んだせいで
何事かとメンバーが走ってきたのが見えた。




蓮「足やったよね？」



『いや、大丈夫。』



蓮「絶対、大丈夫じゃない。
結構、深く捻っていたよ？痛いよね？」




佐「なに？捻った？」




『大したことないk...』



蓮「絶対、痛いよ。
ごめん、俺が変なタイミングでアクロ見てなんて
言ったからだ...」




『いや、目黒のせいじゃないから。』




深「とりあえず靴を脱いで。」




翔「俺、氷もらってくるわ。ラウール、いくぞ。」




固まっているラウールを引っ張って
楽屋の外に出ていった翔太。



ラウに変な恐怖心を与えちゃったかな...




阿「ちょっ！めちゃくちゃ腫れてんじゃん！」




舘「これ、骨いったかな？」




蓮「うわ、どうしよ。
マジでごめん。ごめんなさい。」




『大丈夫だって。大したことないから。』




深「は？お前、こんだけ腫れてて大したことないわけないじゃん。」




『いや、そこまで痛くねーし。』




佐「...えい！」




『痛っ！！！！ふざけんな！』




強がる俺を見兼ねたのか
患部を突いた佐久間のおかげで
とんでもない痛みが俺を襲ってきた。

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