10人目は頑張り屋さん14

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ラウールside



蓮「仕事量は減るどころか増える一方。

睡眠時間も、食事をする時間も
何もかも不足している状態。


今の状態がいつまで続くか分からないし
Aちゃんの心身がどこまで持つか分からない。


それが現実だよ。」




改めて突きつけられた現実に
自分の無力さを感じて辛くなった。



『どうすればいいの...？』



八方塞がりってこのことだって痛感するくらい

もう本当に分からなかった。




蓮「Aちゃんの隣で
いつもみたいに笑っていればいいんだって。」




『は？』



なに悠長なことを言ってんの？




深「ふはははww
そうだな。それが一番だな。」




いや、意味わかんないし。


なにそれ。結局、なにも出来ないってこと？



蓮「それくらいでいいんだって。
お前の存在自体が、Aちゃんの支えになってんだから。よく考えてみろよ。
無条件に「大好き」って言ってくれる奴がいるんだぞ？どんだけ心強いと思う？」



『んー...』



蓮「大丈夫だから。
それに忘れているかもしれないけど
SnowManは10人組なんだぞ？」




深「Aのことを守りたいのはラウだけじゃない。
8人もおんなじ気持ち。

だから一人で抱え込まなくて大丈夫。
今すぐに物理的にどうにかすることは難しいけれど
精神的に支えることは出来るし...

なんなら、それは俺達にしか出来ないことだから。

今は俺達に出来ることを少しずつやっていこう。
もちろんスケジュールの改善を諦めたわけじゃない。
でも少しずつ。ね？」




『うん...』




頷いた俺の頭を、大好きな手がグシャッと撫でる。




蓮「戻ろっか。」



そう言われて思い出すのは阿部ちゃんのこと。



『阿部ちゃんに酷いこと言っちゃった...』



深「大丈夫。
ちゃんと謝れば、絶対に許してくれるから。」
.






.







.








.
“ガチャ”


康「ラウ...」



泣き腫らした真っ赤な目で楽屋に戻ってきた
俺の様子を心配そうに伺うメンバー。



そんな顔をさせてごめんなさい。




阿「ラウ...」



『阿部ちゃん、酷いこと言ってごめんなさい。』




阿「俺もごめんね。不安にさせちゃったね。
でも、諦めたわけじゃないから。
今度こそ通用する新しい対策を考えよう。」




『うん。みんなも心配かけてごめんなさい。

俺だけじゃ力不足だから...
一緒にAちゃんを支えてください。
お願いします。』





Aちゃん、9人で絶対に支えるから。



だから、もう少しだけ踏ん張って...。

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