. ページ4
北川拓実side
自分がソロを任せてもらえるなんて思っていなかった。
ソロパートをもらったことは何度もあるけれど
あの広い会場でたった1人で歌うなんて...
Aちゃんに聞かれたときは咄嗟に
「やらせてください！」なんて言ったけれど
時間が経つにつれて襲ってくるのは恐怖。
いつもは楽しいと感じるはずのリハ室の雰囲気も
今日はなんだか1人になりたくて
廊下の隅にあるベンチに腰をかけた。
瑞稀「あれ？どうしたの？」
『え...あ、瑞稀くん...』
瑞稀「なに、Aちゃんに怒られた？笑」
『いえ。Aちゃんはほんとに優しいです。』
瑞稀「...Aちゃん以上に他人に優しい人を
俺は見たことないよ。」
『...実はさっき楽曲の発表があって
僕が1人でソロ曲を歌わせてもらうことになったんです。
ソロパートを歌った経験はありますが
テレビで、完全に1人のソロ曲は初めてで...』
瑞稀「あはははは笑」
『え...？』
突然笑い始めた瑞稀くんに戸惑っていると
瑞稀「いや、俺もそういう経験あったなって思って」
『え、瑞稀くんもですか？』
瑞稀「うん。
まだHiHiJetsがそこまで出てきてない頃に
グループとしてもらった時間をAちゃんが
自分以外の5人で45秒ずつ割り振ってくれたことがあって、その時はめちゃめちゃ緊張したもん。」
『Aちゃんに出来るか聞かれたときに
「やらせてください！」って言ったんです。
でもほんとに俺で良かったのかなって...』
瑞稀「”チャンスは無限に与えられるわけじゃない。
自信がないなら自信を持てるまで練習すればいい。”
これはAちゃんが俺達によく言っていた言葉。
せっかくチャンスを貰ったんだから
それをモノにしないのは勿体ないじゃん。
あ、やべ。時間だ。もう行くね。」
『え、あ、ありがとうございました！！』
リハ室に戻っていった瑞稀くんの後ろ姿を見ながら
さっきの言葉が頭の中を駆け巡る。
”チャンスは無限に与えられるわけじゃない。
自信がないなら自信を持てるまで練習すればいい。”
やらないで後悔より、やって後悔。
練習していないくせに何を不安がっているんだ。
まずは練習。練習しよう！
偶然を装っていた瑞稀くんが
実はAちゃんに頼まれて僕の元に来たなんて
知る由もなかった僕はリハ室に走った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5718人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
切な - 移行おめでとうございますー！お忙しいかと思いますが、更新楽しみにいつまでも待ってます〜 無理せず、体調や暑さ等にはお気をつけくださいね。陰ながら応援しております！ (2020年8月25日 20時) (
レス) id: f2db21a162 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルスと熱中症に気をつけてくださいね (2020年8月23日 18時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みるくてぃー
| 作成日時：2020年8月23日 14時
