10人目は頑張り屋さん8

敵か味方か... ページ9

阿部side



照の言葉に
「それ以上はヤバイ...」と思ったけど
止める間も無く、役員に突っ込まれてしまった。





役員「証拠はどこですか？」




黙ってしまった俺達に
自分達の勝利を確信したのか
嬉しそうに証拠の提示を迫ってくる。





役員「10秒以内に証拠を出せないなら
その時点でお前らはクビだ。

契約解除とさせてもらう。」




翔「いや...それは...」




役員「10...9...8...7...6...」





あぁ...本当に終わっちゃうんだ...




乗り込んだことに後悔はないし
最悪の場合も覚悟していたけど...





役員「3...2...」




やっぱり悔しくて、ギュッと目を閉じた。





役員「1...」






“ガチャ”



役員「誰だ？」




？「何をやっているんですか？」




役員「あれ？滝沢さん！？いや...その...これは...」




滝沢「何やら証拠を出せとおっしゃっていましたね。
声が大きいから聞こえてきましたよ笑」




役員「いや、僕達は何もしていないのに
この子達が勝手に疑ってきたもんで...」




滝沢「そうだったんですね。
お前達、失礼なことをしたらダメじゃないか！」




深「違うんです！コイツらが！！」




滝沢「...何か証拠でもあるのか？」





『いや...それは...』




滝沢「あぁ、そうだ。

今日は見ていただきたい映像があって来たんですよ。
これを見ていただいてもいいですか？」





そう言った滝沢くんが取り出したのは1枚のDVD。




役員「今じゃないとダメですか？
今はコイツらの処分を下さないといけないんですが...」




滝沢「今から関西に行かないといけなくて
あんまり時間がないんですよ。

そんなに長い映像じゃないし、先に見てもらえますか？」





役員「...分かりました。」





滝沢くんに怒られたし
今も冷たい目で見られているのは事実。


だけど...その様子にどこか違和感を感じた。





役員「PCでいいですか？」



滝沢「いや、スクリーンにしよう。」



役員「スクリーンですか...分かりました。」





渋々といった感じで動き出す役員達。



このタイミングで
しかも、わざわざスクリーンを起動してまで
DVDを再生させることにも違和感を感じる。




『まさか...』





頭に浮かんだのは1つの仮説。



でも...もしそうだったとしたら
滝沢くんは何で知っているんだ...？




俺達は何も言っていないんだし
そんなことあるはずない。





役員「準備が出来ました。」





滝沢「じゃあ再生しましょうか...」

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