10人目は頑張り屋さん4

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ラウールside



今日も無事に舞台が終わって楽屋に戻ろうとした
Aちゃんをふっかさんが呼び止めた。



深「あ！待ってA！」



「ん？」



深「HiHiのこと俺らも聞いたよ。...大丈夫か？」




「...何が？」



深「いや、なんていうか...
落ち込んでいるんじゃないかなって...」




「え？全然大丈夫だよ。
もう抜けたグループだし、私の居場所はSnowManだもん。心配してくれてありがとうね。
じゃあお疲れ様！」




笑顔でそう言って楽屋に戻っていったAちゃんに
みんなは呆気にとられた表情をしているけれど
僕は違和感を感じた。



だから...


『僕、ちょっと行ってくる！』



楽屋に戻っていったAちゃんの後を追って
舞台袖から飛び出した。
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“トントン”


『Aちゃん！』


ドアを叩いても、声をかけても返事がない。



しびれを切らしてドアノブを回すと...



『空いてる...Aちゃん？開けるよ？』



楽屋のドアを開けると
いつものAちゃんからは考えられないくらい
散らかっているみたいだった。



ほんとにどうしちゃったんだろう...



『入るよ？』



楽屋の中に足を踏み入れると...



『Aちゃん！！！！』



中には


「はぁはぁはぁはぁ.っ..はぁ..」



楽屋の隅で過呼吸を起こして震えている
Aちゃんの姿があった。



『え？えっと...えっと...』


頭が真っ白になる。

だけど蹲ったAちゃんが
必死に机の方へ動こうとしていることが分かる。

....ポーチか？



慌てて机の上のポーチを取って渡すと
震える手でチャックを開けて
薬のシートを取りだした。




この薬...確かリーゼ...


あれ？1回で何錠飲んでいいんだっけ...




なんて考えている間にもAちゃんは
薬を出しては口に運び、水で流し込んでいる。



『えっ...飲み過ぎじゃない？』



「大丈夫...このくらい飲まないと...効かないから..」



話せるまで落ち着いてきたのは
薬のシート1枚半分を服用したところだった。



『...大丈夫？』



「...うん。
そのうち効いてくるから大丈夫。..はぁ..はぁ..
変なところ見せてごめん..」



『僕、みんなに知らせてくる！
みんなも心配しているし！』



「待って！！大丈夫だから言わないで！！！」



『なんで！？』



「ほんとに大丈夫なの...
よくあることだし、私が一番慣れているから。」



『でも...』



「お願い！」



『...分かった..』

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