10人目は頑張り屋さん

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照side




Aらしいな。と思ったと同時に
正直、少し寂しかった。




『そんなこと言うなよ。
お前はもう俺らの仲間だろ？』




「...っ..照くん..」





深「俺らを信じて、甘えていいんだよ？
それに俺ら同期だろ？

今まであまり接点が無いから戸惑っているのかもしれないけど...俺らは同期なんだから遠慮せずに言いたいことを
言えよ。」





「ふっかさん...っ..」





ふっかの優しい言葉に、大粒の涙を流すA。




その涙を見ただけで、この子がどれだけ葛藤して
プレッシャーを感じていたかよく分かった。




正直、この年齢になると
男女の差ってとても大きいと思う。


でも誰よりも頑張り屋さんで
自分の実力だけでここまで登りつめてきた奴だ。





だから俺はこいつを支えてやりたいって
心の底から思ったんだと思う。






阿「いつも何時までやってるの？
ちゃんと寝てる？ご飯は食べてる？」




「朝の7時くらいまでやってます。
でも移動車の中と劇場入りしてサウンドチェックまでの間に寝てるので、大丈夫です。」





佐「ここから帝劇なんて30分かからないじゃん。
それに朝までここでやって移動するとなると、午前公演のサウンドまでって1時間くらいしか時間ないでしょ？

あんだけハードな舞台をやって、これだけ踊って
それしか寝てないって
いくらなんでも身体が持つわけないよ？」




「...っ..」




康「ご飯食べとる？痩せすぎちゃう？」




「あんまり食欲なくて...」




舘「今日1日、何食べた？」




「えっと...その...」





明らかに誤魔化そうとしているAだけど
俺らはそんな簡単に黙らないよ笑





『誤魔化そうとしないでいいから。ね？』




「えっと...朝と昼はスープで...夜はゼリーを...」




渡「は？それだけ？」




「ほんとは食欲なくて食べたくなかったんですけど
優斗達がうるさくて...だから頑張りました..」




蓮「いやいや。頑張ってそれって..」




阿「気持ち悪いとかではない？」





阿部は多分、拒食症を気にしてる。
あれだけ動いて、これしか食べてないって...





「それはないです。
でも疲れちゃって...喉を通らないんです...」




深「そんな生活してたら、身体がもたないよ。」




舘「ちゃんとしたご飯食べたのっていつ？」




「あー...多分1週間前くらいだと思います。」




阿「病院に行こう。
せめて栄養剤でも打ってもらわないと...」





「大丈夫ですから！ほんとに大丈夫です。」

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