10人目は頑張り屋さん

ラウールの限界 ページ33

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ラウ「Aちゃん...」



『大丈夫。大丈夫。』



1月27日
JOHNNYS’ King＆Prince IsLANDが
無事千秋楽を迎え、ホッとする暇もなく
すぐに京都 南座での滝沢歌舞伎ZEROのステージに立った。


慣れない環境、極度のプレッシャーで
もがき苦しんだ時もあったけど
1ヶ月間、SnowManのみんなと居たことで
少しずつ安定した精神状態を保てるようになった。





そして迎えた新橋演舞場公演。



南座当時、中学生だったラウールは
学業優先の為、京都公演には出演しておらず
新橋公演に向けて、たった1人で稽古に励んでいた。

その間、加入のプレッシャーと1人闘い続けた
ラウールの心はすでに限界を迎えていた。



ラウ「...っ..僕...」



『ラウ...大丈夫、大丈夫。』
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深「A、ラウールは？」



『泣き疲れて寝ちゃいました...』



深「自分の楽屋で寝かせようか。
ちょっと照、呼んでくる。」



そう言ったふっかさんは
家族の楽屋にいる照くんを呼びに行った。




照「ラウール、ちょっとごめんな。」



すぐに来てくれた照くんは
私のお腹に顔をうずめて眠っているラウールを
優しく抱き起こし、自分達の楽屋に連れて帰った。




深「やっぱりラウールはAが落ち着くのかなぁ...」



『きっと境遇が似ているからですよ。』




そういう私も、過去に同じ経験があるから
勝手に涙が出てきてしまう気持ちはよく分かる。




翔「A〜...あれ？ふっかもいたの？」



ふら〜と私の楽屋に入ってきた翔太くんの手に握られているのは、化粧水らしき試供品。




『さっきラウールが泣き疲れて寝ちゃって...
今、照くんに連れて帰ってもらったんです。』




翔「そっか。
最近、不安定だもんな...」



心配そうな翔太くんだが、本題を思い出したのか
手に持っているものを私に差し出した。



翔「この間、紹介した化粧水の新製品が出たから
試供品をもらってきた。」




『ありがとうございます！
最近、スタッフさんから肌が綺麗になったねって
褒められる機会が増えたんです。』




翔「それは良かった！
試供品がよかったら、買ってくるから連絡して。」




『嬉しい！ありがとうございます！』




翔「おー」



そう言って楽屋から出て行く翔太くんを見た
ふっかさんが面白そうに


深「あの翔太がやたらと素直だな笑
きっと自分の美容知識を共有できる人が出来て
嬉しいんだな笑」


と笑っていたことは翔太くんには内緒にしておこう...

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