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冬休み。
あずきはお洒落なカフェでバイトを始めた。
それに感化されて私もスターバックスで働くようになって気がついた。
スターバックス、愛想が必要。
私には不向きだっていって1週間で辞めて、ブラブラ歩いてると今どき珍しい、駅でのバイトのチラシ配りをしている。
家の近くのガストだった。
｢────────っていうのがガストに来た理由だよ。｣
｢スタバから来た期待の新人って初期は言ってたけど1週間だったんだ。雑魚いじゃん。｣
お昼の休憩時間、ざわくんと喋るこの時間、和む。
ガストでバイトしてから３ヶ月が経った。
当初は冬休みだけのバイトって思ってたけどなんだかんだ春休みの今も続けている。
大学1年ももうそろそろで終わるなあ。
あっという間だなと思いながらもこの1年で濃い人たちに出会えた。
あずきとざわくん。
ずっとフルパワーのあずきと、初対面の時は想像もしていなかった皮肉な性格のざわくん。
｢雑魚いとか言わんでよー。｣
｢1週間スタババイトは就職で使えんよ。｣
｢採用されただけマシ。｣
｢それはAちゃんの顔面フルスロットルなおかげ。｣
｢なんそれ。｣
意外や、意外、私たち2人はパズルのピースの如く性格が上手く噛み合ったようで。
ここのバイトなら一生続けられそうな気がした。
｢そろそろ2回生かー。｣
ざわくんが天井を仰ぎながら呟いた。
｢実習増えるかな。｣
教育大生の楽しみはこれでしょ。
｢それよりもここのバイトの人員がまた不足しているのが心配。｣
｢猫の手も借りたいとはこの事か。｣
ざわくんガスト好きだな。
この前、厨房の岡本さんが辞めちゃったからね。
｢おーい、そろそろフロア戻ってー。｣
店長がひょこりと扉から顔を出す。
｢｢はーい。｣｣
ちゃきっとエプロンを着てフロアに戻る。
私は主にフロア担当。
サブで厨房かな。
ざわくんも同じくフロア担当。
サブでレジ。
フロアに出て注文を取りに行く。
｢お待たせしました、ご注文をど……あれ、あずき？｣
呼び鈴を鳴らしたのはなんと、あずきだった。
｢来ちゃった！｣
バイト先に友達来るのちょっと恥ずかしいなと思いつつ。
……気になるのはあずきの目の前に座る好青年なんだけど。
じーっと見つめていると。
｢どうも、柿原朋也です。4月から同じ大学の同じ学部に入学することになりました！｣
｢は、はあ……｣
｢A、ミネストローネと明太子パスタよろしく！｣
情報量！！
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作者名：糯 x他1人 | 作成日時：2020年4月29日 12時
