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｢うおお、かわいい……｣
店前でスマホのカメラをパシャパシャ撮るあずき。
遂にこの日がやってまいりました。
店の外装がお洒落であずきが好きそうな感じ。
｢よし、入ろっか！｣
｢うん。｣
満足したあずきが店の扉を開ける。
｢あずきちゃーん、こっちだよ！｣
店の奥で手を振る女の子2人。
この2人がコミュ力最強の中等部の方々か……。
あずきも手を振り返して席に着く。
｢全員揃ったね。｣
話を聞くに、この中等部のリサって子がみんなの共通の友人らしい。
恐ろしいほどの人脈だ。
｢じゃあ自己紹介からいく？｣
相手の男の子が爽やかに微笑む。
そうだ、そういえば今日は合コンだ。
男の子もいるんだ。
なんか急に緊張してきたな……。
｢はーい、じゃあ私から時計まわりに！｣
席は４対４で長テーブルに向かい合って座っている。
1番左端のリサさんが手を挙げた。
｢中等教育学部の関内リサです。今日の幹事かな。気軽にリサって呼んでね。｣
うわあ、こんなテンションで話せるだろうか……。
｢同じく中等教育学部の川野ミキです！ミキって呼んでください！｣
かわいい、愛想いい、何だこのふたりは。
次、あずきの番だ。
｢養護教諭育成課程の佐藤あずきです。呼び方なんでも！高校の時はあーずーって呼ばれてたけど……まあ適当に。｣
あーずーって呼ばれてたのか。
知らんかったよ。
……次は私か。
よし、落ち着いて……。
｢同じく養護教諭育成課程のAAです。えっと……よろしくお願いします。｣
言えた？
言えた？
まだ心臓バクバクしてるよ……。
｢頑張ったじゃん。｣
小声で言うあずき。
それに対して小さく頷くことしか出来なかった。
｢じゃあ次男子だねー！｣
私の目の前の男の子に視線が集まる。
小柄で眼鏡をかけた、色白の男の子。
心無しか楽しくなさそう……？
｢初等教育学部の金澤太紀です。よろしくね。｣
至ってシンプルな自己紹介。
でも寡黙そうで良かった。
話しかけられそうじゃなくて。
他の男の子の自己紹介も終わって、料理を食べながら話していく。
なんだか金澤くんのことが気になってじーっと見つめていた。
この人ほんとに喋んないなあ。
やっぱり私と同じでこういうの苦手なのかな。
黙々と料理を食べる金澤くんを見ているとなんだかウサギに見えてきた。
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作者名：糯 x他1人 | 作成日時：2020年4月29日 12時
