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｢2人の就職祝いand卒業祝いをこめて！乾杯！！｣
『乾杯ー！』
プラスチックのコップの弾く音が鳴る。
私は今日はオレンジジュース。
りょうくんから貰った白いTシャツとスウェット。
貰ったとはいえ汚さないようににしないと。
｢虫さん代表で一言！｣
｢2人だけで代表とか決めんの？んー、まあ、僕ら2人は春からもAと一緒でーす。お前らより距離近いでーす。｣
｢ふざけんなぁぁあ！！｣
ボコボコにされる虫さん。
あほだなあと見ていると、てつやが私に振ってきた。
｢Aも一言！｣
｢えぇーっと、みんな大好きだから……YouTube界に、革命起こしてね！！！｣
テキトーに言ってみた。
なんだかその一言で訳分からんテンションのスイッチが入ったのか。
まだ酒も身体に回らないうちにおかしなテンションに切り替わってしまった。
｢うおおお！がんばるぞー！｣
｢歌おう歌おう！｣
｢ボエーー！｣
ほんと、アホだなあ。
馬鹿だなあ。
でもこいつら好きだ。
｢Aも！なんか悟った顔しとらんで来い！歌え！｣
てつやに引っ張られてみんなの前でしばゆーと歌う。
こんな馬鹿馬鹿しい時間が尊い。
今、そう思えただけで十分じゃないだろうか。
げらげらと笑うみんなの顔。
充分脳内にやきつけて、私は私の道を切り開いていこう。
ふと、りょうくんが視界に入る。
するとりょうくんがちらりとこちらを見た。
ニコリと笑うりょうくん。
思わず目を逸らしてしまった。
なんだ、今なんで逸らしちゃったんだろ。
｢ゆめまる！飲み足りん！｣
｢飲む！｣
｢飲みすぎちゃダメだよ。｣
｢保健の先生出とるー！｣
厄介な酒飲み達が騒ぎ出したので収束するべくゆめまるからお酒をとりあげて水割りにする。
炭酸水も入れる。
｢あぁーー！それA割りやん！ほぼ水のヤツ！｣
酔った虫さんも、割と面倒臭い。
変なお酒の割り名？考えんでよ！
こうして飲んだくれ達は次々と倒れていった。
生き残るは、としみつとりょうと、全くお酒を飲んでいない私だけだった。
｢疲れた……。｣
｢だろうな。｣
くたくたの私ととしみつを後目に、りょうくんは片付けを始めていた。
すごいなあ。
体力あるなあ。
｢A。｣
としみつが私の肩をとん、と叩いた。
｢ん？｣
振り返ると、顔を真っ赤にしたとしみつが。
相当飲んだなーって思ってたら。
｢あのさ……う、｣
｢は？ちょ、吐くならトイ｣
遅かった。
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作者名：糯 x他1人 | 作成日時：2020年4月29日 12時
