・・・yumemaru17 ページ18
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前々から話は聞いていた、てつやのバイト先の先輩の話。
岡崎高校の陸上部のA。
聞き覚えあるなって思ったら、女子陸上で唯一城西と良い争いしてた子だって、会って初めて思い出した。
｢とは言っても負けてんだけどね？城西には勝てんわ。てかほんと、よく覚えてるね。｣
その話をするといつもAはそう言うけど、女子が走ってるの見て他校の子を応援したいと思ったのはAが初めてだったんだよね。
目に焼き付いてる。
アップ中の集中力と本番中の真剣な顔。
心意気を学んだような気がしたなあ。
｢大袈裟！｣
褒めちぎると最後はそうやって笑う。
そういう謙虚なところも知れて、良かった。
てつやには感謝だ。
こんな素敵な人と出会えたんだから。
｢てつや！しばゆーがまた変なことしとるよ！｣
｢それ言ってもてつやが乗っかるだけだげ。｣
｢としみつはやらんの？｣
｢俺は……やる。｣
｢やるんだ。｣
今じゃしばゆーとかてつやがチン棒を出しててもなんも動じないようになっちゃって。
時間って怖いね。
あの高校時代の凛々しいAはどこへやら。
ただ、ふにゃっと笑うAが今ここにいる。
｢ゆめまる！3人暴走し始めた！｣
｢サブチャン撮ろ！｣
俺に訴えかけたらざわくんが反応してカメラを回しだす。
ああもう、このグループやめらんないね。
｢はいどうも、東海オンエアのてつやと！｣
｢しばゆーと｣
｢りょうと｣
｢虫眼鏡だ。｣
ざわくんは遂に虫眼鏡として正式に加入した。
Aはと言うと……。
｢ゆめまる、暇ならそのゴミ分別してくれん？｣
俺らと会ってから1年。
相変わらず、お手伝いを続けている。
この頃から圧倒的な2人のポジションの差。
なんとなくだけど。
Aはいつまでもこんな馬鹿な俺らに着いてこなくなるんじゃないかなって。
思い始めたんだ。
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作者名：糯 x他1人 | 作成日時：2020年4月29日 12時
