・・・sibayu16 ページ17
・
寡黙で大人しそうなA。
そんな子が東海オンエアに入る。
ちゃんとやっていけるのかなって心配になってたっけ。
てつやが東海オンエアに加入させようって突然言い出したとき、無意識に顔を歪ませてしまっていた自分がいた。
地味そうな眼鏡のざわくんとやらと、大人しそうなA。
このメンツでおもろいこと出来る？
そう思ってた2週間前の俺、安心しろ。
想像以上に、おもろくて、馬鹿な奴らだった。
｢しばゆー、私たちが入るってなった時、嫌だったでしょ。｣
ある日突然、Aがそう言って俺の隣にビールを持ってやってきた。
ビックリして変な声でた。
｢やっぱり、図星だ。｣
｢いやあ、まあ、さ。｣
開き直ってごめん、って言うとAはぶんぶんと首を振った。
｢そりゃあ誰だってそうなるよ。あの時気づいてたもん。しばゆーが不服そうな顔してるって。｣
バレてたのか。
Aはビールの缶を開けて、差し出してきた。
自分はオレンジジュースのくせに。
｢でもそんとき、しばゆーと1番先に仲良くなってやろうと思ってめっちゃ話しかけてたんだけど……気づいた？｣
｢あぁ、なんとなくめっちゃグイグイ来るなと。｣
始めの方は普通に接してたんだけど、なんだかなあ。
Aに惹かれたんだよ。
一瞬で。
｢人見知りの割に頑張った。だから褒めて欲しい。｣
｢あ、それで今寄ってきたの？｣
｢そう！｣
へへへと笑うA。
愛くるしいという感情はこのことか。
｢ありがとう。俺の友達になってくれて。｣
｢こちらこそ！｣
恥ずかしくなったのか、Aはそっぽを向いてしまった。
｢あれー、しばゆーA泣かせた？｣
え！泣いてんの？？
向こう側からやって来たりょうがAの頭をポンポンと撫でながら涙を拭う。
行動がイケメンすぎるんだよなあ。
｢もう、りょうくん、バラさんでよ。｣
｢え？なにが！｣
りょうが甲斐甲斐しくそばにあったティッシュをAの手におさめさせる。
ありがと、とボソッと言ってから、少し充血した目で俺を見たAは言った。
｢馬鹿。｣
・・・yumemaru17→←・・・toshimitsu15
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 83人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：糯 x他1人 | 作成日時：2020年4月29日 12時
