White tree.ﾟ｡･*ﾟ.+ S.T (ページ8)

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｢僕は朗読してるけど
いつも"その言葉の先に行く"ようにしてるんだ｣

『言葉の先…？』

｢うん先生には優しさだけじゃなく時にははっきり表現しろって言われたことすごい憶えてる｣

『朗読の先生？』

｢そう懐かしいなぁ
前通ってた朗読教室で
よく指導してもらってたんだ｣

なるほど、朗読教室があったんだ…

｢その前はお芝居の仕事してて…
―――――あっ!!｣

何事かと思ったら

｢今日、足あれだから泊まってっていいよ｣

い、いきなり…笑

｢大丈夫、親父も誰も家いないから｣

それ…逆に緊張するんですけど……///

『でも、雄一さんの家にいきなり泊まるなんて迷惑じゃ』

｢迷惑だったらここにあげてない…｣

月灯りで照らされた彼の顔は少し火照っているように見えた

｢それに今日はもう店閉めたし大丈夫｣

コンビニって24時間営業じゃなかったっけ笑

｢ゆっくりしてって花南ちゃん｣

雄一さんのその一言に甘えることにした

――――――――――

朝、目を覚ますとあたしはベッドに
雄一さんはカーペットに寝ていた

綺麗な寝顔…

ベッドの上から覗き込んでいると
彼が目を覚ます

｢……おはよ｣

『おはよ、ございます』

寝起きの声って特別だなぁ

なんて考えることができるあたしは、だいぶ落ち着いてるみたいだった

雄一さんは身体を起こすと加湿器を焚き
発声練習を始めた

｢だだだだだだだだ…｣

自分の人差し指で口角を上げながら様々な発声をしていく
可愛い……///

｢あういういうえいあ｣

寝起きの声で発生練習してるけど、寝癖がついてて笑ってしまった

｢どしたの？｣

なんてキョトン顔で聞いてくるから
ラジオとのギャップにやられてしまう

『寝癖ついてますよ』

｢うそっ｣

恥ずかしそうに襟足を押さえる雄一さん
可愛らしい一面にあたしはドキドキしっぱなしだった