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★5 ページ6

『……だいじょぶ、です』

「よかった…」






いや、いやいや、よくなくね?

コンビニ店員に床ドンされたの初だわ……


てかコンビニ店員に床ドンされたの世界であたしだけじゃない?








「起きれますか?」

『はい、』


とは言ったものの、足を捻ったみたいで上手く立てなかった






『いっ…』

「足捻ってる…
大丈夫じゃないじゃないですか」







どうしよう…
上半身すら起こせない



彼はしばらく何かを考えていたようだけれど
いきなり何かを思いついたかのように、あっ、と声を出した








「失礼します」


そう言うか言わないかのうちに
いとも簡単にあたしを抱き上げた






『え』

ひょいっとお姫様抱っこされ、スタッフルームに連れてかれる








「ここじゃ寝る場所ないな」

独り言なのか、喋りかけられているのかも判断出来ないくらい、パニック状態に陥っていた







彼はずかずかとスタッフルームを横切り、階段を上がり始める

確か2階って民家じゃ…


ガチャッ







「…ここでいいや」

満足そうに呟きあたしをシングルベッドの上に寝かせた








『あの』

「あ、氷と水持ってくるね」



パタン









ようやく脳が現実に追いつき部屋を眺めると本が沢山あることに気づく

それも小説だけじゃない

詩集や絵本まで



本棚にびっしりと並んでいた









「お待たせ〜」

まるで知り合いかのように部屋に戻ってきた






負傷した右足首に冷たさが伝わる
いた、とあたしが言うと
ふふって悪戯に笑う





「あー、びっくりした」

『…すみません』

「いや、あんなにダイレクトにぶつかってくる子初めてだなぁって」

『あたしも…
コンビニ店員さんに床ドンされたの初めてです笑』

「ごめんね、僕が前見てなかったから」




そう言ってあたしを見つめた







『………あ』

「え?」

『いや、なんでもないです』







この人…間違いない





夢に出てくる人だ








「…じゃあ僕 店に戻るけど、何かあったら呼んでね」

『はい、ありがとうございました』





パタン…









絶対 あの人だ――――




悲鳴をあげる身体を無理やり起こして
壁につかまりながら本棚の前に移動した





『うわぁ 懐かしい…』

くじらぐも、ふたりはともだち、おじさんのかさ、雨ニモマケズ、おおきなかぶ


どれも1度は読んだことのある本ばかりだった

★6→←★4



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作者名:にゃんこけし | 作成日時:2017年11月23日 18時

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