File:12 ページ13
▽
「 ふぅん、公安警察……ゼロ？ 何それ。
……へぇ、全国の公安警察の
へぇへぇ、じゃあこのお兄さん凄い人なわけだ。
え、返すなら警視庁じゃなくて警察庁？
そうなんだ、ありがとう伊地知さん！
危うく警視庁に連れてっちゃうとこだった〜！ 」
あの後伊地知さんに頼んだら、
なんとあの人、ものの5分で調べてくれちゃった。
優秀すぎていっそ怖いわ。
ハッキングしても跡を残さないし、
呪術高専でハッカー育成とかできるんじゃない？
「 ん。うん、順調ですよ、一応ね。
この人も反転術式で何とかなる範囲だったし、
危険そうな呪霊も祓ったから。
……うん、多分。当面安心かと。」
〈 くれぐれもお気をつけて下さいね……
あなたに何かあると禪院さん達が怖いです…… 〉
「 あはは！頑張ります頑張ります。」
それじゃあ、と言って通話を切ると、
空狐が私の脇腹に頭を擦り付けてきた。
私に対しては傲岸不遜な態度をとるくせに、
人がいるところでは大人しい。
この金髪のお兄さんを起こさないように、
空狐なりに配慮しているんだろう。
……私の事はかなりしっかり噛んで起こすくせに(拗)
「 空狐、警察庁まで行こ。この人送り届けなきゃ。」
〈 その者、管狐を憑けておくとよかろう。〉
邪気が溜まっておる、と言いながら、
空狐は身を屈めて私と彼を乗せる仕草を見せた。
私は気を失っている男性を肩に担ぎ、
空狐に跨って上空へ飛翔する。
重くないのかって？
あの
〈 ……見えたぞ、警察庁とやら。〉
「 おぉ、テレビで見るやつだ。」
10分ほど飛んで、空狐は警察庁の屋上に降りた。
幸い監視カメラの死角で、
誰か人がいる気配もない。
私はポーチから紙と筆を取り出して、
簡易的な
この札は姿を他人から隠すためのもので、
監視カメラなどにも映らない。
不法侵入？ 何を今更そんなことを(すっとぼけ)
「 じゃあここで待っててね、空狐。
この人、仮眠室にでも寝かせてくるからさ。」
〈 くれぐれもバレるでないぞ。
それから油揚げのことも忘れてくれるなよ？ 〉
「 …………あ、」
やっべ、完全に忘れてた。
▽
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 874人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：杠葉 | 作成日時：2021年7月15日 8時
