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「 では白嶺さん。」
『 はい。』
「 今回の任務について、私から少々。」
『 はい、よろしくお願いします。』
「 いい返事です。」
どうやら今回の任務は長期に及ぶらしく、
身支度を済ませるように言われたのが30分前。
制服と普段着しか持ってくもんねぇなと思ってたら、
野薔薇に化粧品、
悠仁にトレーニング用品、
真希に護身用の呪具、
棘におにぎり詰め合わせ(お昼ご飯)を貰って、
感動してたら伊地知さんが迎えに来たのが5分前。
そこに突然七海さんが現れて、
追加の話があると言われたのが10秒前。
ここで追加用件言い渡しに来たのが悟だったら、
多分私、今回の任務バックれてた。
でも七海さんは別よ。
あの人、人間としてしっかりしてるし、
何より頼りになるし、尊敬も出来るからね。
『 それで、追加用件とは? 』
「 あぁ……追加用件と言うより、
どちらかと言うと注意しに来たと申しますか。」
『 注意、ですか? 』
「 ええ。最近米花町で出現している呪霊に関して。
街でうろついているのは低級呪霊がほぼですが、
事件現場などには特級相当がいる可能性も。
非術師に見られないよう、
活動は必ず夜に制限するようにしてください。」
『 勿論ですよ、伊達に1級やってません。』
「 ……くれぐれも気を付けてくださいね。」
眼鏡を押し上げながら、軽く微笑む七海さん。
レアだ。(不謹慎)
『 当たり前じゃないですか。
可愛い後輩たちもいるんです、
そう簡単には死んでやりませんからね。』
「 ……それでこそ私の後輩です。」
『 へへへ、ありがとうございます! 』
「 いた〜っ!釘崎〜!Aセンパイまだいた!
ナナミンにデレデレしてる! 」
そう叫びながら校舎の方から走ってくる悠仁。
いや人聞き悪いな、デレデレはしてないぞ。
褒められて(?)照れてはいるけど。
……デレてんのか。そうか。
『 なになに、どした悠仁。』
「 何って!見送りに来た! 」
「 しゃけ。」
「 私がいないからって肌のケア欠かしちゃダメよ! 」
「 野薔薇、死地に赴く奴に説教はやめてやれ。」
『 いい子って言いたいところだけど真希?
死地に赴くですって??私死なないケド??? 』
「 はは、わりぃわりぃ。」
私の後輩、いい子たちばっかりで幸せ。
……将来、教師(悟)に似ないで欲しいもんだわ。
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作者名:杠葉 | 作成日時:2021年7月15日 8時