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「なんで…なんでここにいるんですか…まだ全然お仕事中ですよね？」
「撮影の時間空いたから中抜け。
Aの顔が見たくなって帰ってきた」
「そう、だったんですね…」
「おかしいだろ？叶わないってわかってるのに。
Aの気持ちがそう簡単に解決できないのも、罪悪感があって今俺の気持ちに応えられないのも全部わかってるけど、でもやっぱり好きなんだよ。
…押さえつけてごめん」
いえ、と首を振る。
「唇は避けたから、まぁ許してよ」
そう言って彼は私に背を向けてダイニングの椅子にかけていたコートを羽織った。
彼はきっと諦めた。
もう彼が私に対して好きだと言ったり追いかけたりするようなことはないのだと、彼の寂しそうな笑顔から感じ取った。
「本当すみません。でもたくさん感謝してます」
背中に向かって声をかけると
「うん」
彼は振り返り優しく頷いて部屋を出ていく。
本当に少しの空白の時間を私に会うために帰ってきてくれていたのだと彼の短い滞在時間がそれを物語っていた。
私だって胸が苦しい。
.
人間本気になればどうにか生きていけるものだ。
このような感情をお互い抱いたままここに住み続けるわけにはいかない。
出ていくと決心してからは早かった。
家を出ようと思うんです、と中島さんに伝えると、
彼はわかったと言って引き止めることはしなかった。
もともと資金が貯まれば出ていく約束なので引き止められる理由がない。
すぐに不動産屋に駆け込み新しい部屋を探す。
駅近だとか築年数だとか2階以上だとかそんな条件言ってられない。
今の自分の実力で借りられるところ、というただそれだけで探せばかなり絞られて、あれこれ迷う暇もなく引越し先が決定した。
なんだ、私。やろうと思えばできるじゃん。
お金が十分に貯まったらなんて都合のいいこと言って、私は中島さんに相当甘えていたんだな。
引越し当日は中島さんが新居まで車を出すと言ったがお断りした。
引越し業者に依頼して少ない荷物とここに来て購入した布団一式を持ち出す。
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にこ(プロフ) - ふぅかさん» 小説を読み返して幸せに浸る予定だなんて嬉しいお言葉ありがとうございます🥹お話に触れる時間がふぅかさんにとって楽しいひとときとなっていれば幸いです。またどこかのお話でお会いできることを楽しみにしています。ありがとうございました！ (3月9日 14時) (
レス) id: aba4acfcad (このIDを非表示/違反報告)
ふぅか(プロフ) - 完結おめでとうございます!! 本当に素敵な作品です🩷 3月末、寂しいです…が、にこさんの小説を読み返して幸せな気持ちに浸る予定です! また次作も楽しみにしてます! 応援してます! (3月9日 2時) (レス) @page48 id: af1a48aa9a (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - ふぅかさん» コメントありがとうございます♡世界観を気に入って頂けてよかったです！きちんと完結させるよう頑張りますので最後まで見届けて頂けたら嬉しいです♡引き続きよろしくお願いします (2月23日 15時) (レス) id: aba4acfcad (このIDを非表示/違反報告)
ふぅか(プロフ) - いつも楽しませていただいております! この世界観、大好きです! 応援してます! (2月23日 0時) (レス) @page26 id: af1a48aa9a (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - こたさん» いろんなことが一気にあってもう2月になりそうですけども。ご心配おかけしてたのならすみません🙏こんな時にリアル設定ってどうなの、とか思ったりしてますが、世界観を気に入ってもらえてるのならよかったです🥺優しいお言葉ありがとうございます🥺 (1月31日 1時) (レス) id: aba4acfcad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にこ
| 作成日時：2024年1月5日 17時
