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「信じられないです。涼しそうな顔して近づいてくるじゃないですか。練習だとか言って。あれもその時咄嗟に考えて演技したんですよね？
私あれにも騙されました」
思っていたよりも強い瞳と目が合って、人を信用できなくなっている人にやることではなかったと反省した。
「それはごめん。
あのときはちゃんと練習しようと思ってたんだ。
だけどAを見てたら俺が我慢できなくなってしまって…でももうしないよ。約束する」
「……ごめんなさい」
強い眼差しで見つめられていたが、彼女が謝り頭を垂れた。自然と彼女のおでこが俺の胸板に付く。
何に対して謝られているのかわからなかった。
これ以上の関係にはなれないと断っているのか、
喧嘩腰の口調になったことを謝っているのか。
尋ねようと口を開きかけた時
「7年ですよ…」
と小さく聞こえた。
「7年も付き合ってたんですよ。
たしかに初めの頃みたいなときめきとかはなくてもちゃんと好きだったと思うんです。
それだけの時間を過ごしたのに別れてたった少しの期間で、私の気持ちはもう元カレから離れて別の人に向いてしまって…
それに気づいた時、私ってこんな薄情だったのかと思ったんです」
「薄情は違うでしょ。Aは気持ちがあっという間に離れるぐらい酷いことされたんだから、そうなるのも当たり前じゃん」
「でも…別れたからはい次、って、そんなすぐ切り替えられないんです。
あんなに長く付き合ったのにもう次の人だなんて、今までの自分じゃ考えられない気持ちの動き方で、自分がとても移り気に思えて…」
「じゃあどれくらいの期間Aは1人でいたら満足なの？」
「それは…」
「ていうか、別の人に向いてるって…それ俺、だよね？」
……。
「俺のせいだよね？」
「ちがいます！！中島さんは悪くないです」
弾かれたように顔を上げて目が合う。
「でもAの心が揺れたのは俺がいるからでしょ？」
「それは…………はい…」
「そんなの聞いたらますます諦められないんだけど。
俺に惹かれてるってことじゃん」
……。
「ねぇ。ほんとに好きなんだけど」
「ごめんなさい…」
もう今はこれ以上押しても無理だと悟った。
「わかった」
俺はそう言って、体に回していた腕を解く。
「あ、ミキサー取るんだったね。はい」
「ありがとうございます」
「いーえ」
なるべく普通に振る舞うしかない。
これ以上彼女を困らせたくはなかった。
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にこ(プロフ) - ふぅかさん» 小説を読み返して幸せに浸る予定だなんて嬉しいお言葉ありがとうございます🥹お話に触れる時間がふぅかさんにとって楽しいひとときとなっていれば幸いです。またどこかのお話でお会いできることを楽しみにしています。ありがとうございました！ (3月9日 14時) (
レス) id: aba4acfcad (このIDを非表示/違反報告)
ふぅか(プロフ) - 完結おめでとうございます!! 本当に素敵な作品です🩷 3月末、寂しいです…が、にこさんの小説を読み返して幸せな気持ちに浸る予定です! また次作も楽しみにしてます! 応援してます! (3月9日 2時) (レス) @page48 id: af1a48aa9a (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - ふぅかさん» コメントありがとうございます♡世界観を気に入って頂けてよかったです！きちんと完結させるよう頑張りますので最後まで見届けて頂けたら嬉しいです♡引き続きよろしくお願いします (2月23日 15時) (レス) id: aba4acfcad (このIDを非表示/違反報告)
ふぅか(プロフ) - いつも楽しませていただいております! この世界観、大好きです! 応援してます! (2月23日 0時) (レス) @page26 id: af1a48aa9a (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - こたさん» いろんなことが一気にあってもう2月になりそうですけども。ご心配おかけしてたのならすみません🙏こんな時にリアル設定ってどうなの、とか思ったりしてますが、世界観を気に入ってもらえてるのならよかったです🥺優しいお言葉ありがとうございます🥺 (1月31日 1時) (レス) id: aba4acfcad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にこ
| 作成日時：2024年1月5日 17時
