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「買い物行って」
「うん」
「帰ってきて、求人サイト見てました」
「そっか。いいとこありそう？」
「いや〜なかなか。
私何も資格がないから…ずっと花束しか作ってこなかったなーって」
すこし自嘲気味な私に
「素敵じゃん。花を売るお仕事」
彼はそう言ってくれた。
お世辞とか励ましなのかもしれないけど、中島さんが言うと本当にそう思ってくれているように聞こえる。
「青木さんが俺の選んだ花を綺麗にまとめて花束作ってくれる手元見て、いつもすげーって思ってた」
「優しいですね」
「ほんとのことだし。一度一緒に薔薇の花包んだの覚えてる？」
「覚えてます」
「俺あれ実際自分でやってみてあんま上手くできなかったから、マジですごいって思ったよ」
そうなんだ…
「それで、1番花形のリボンを結ぶの俺にさせてくれて嬉しかったな。SnowManのメンバーも喜んでくれたし」
「よく覚えてますね」
「うん。だってあの日初めて中島さんって呼ばれたもん。
俺のこと知ってたんだ？！ってびっくりして…なんか思い出深い日だった。
………顔見えないのいいことにめっちゃ話しちゃった！はず！！」
電話口で急に現実に引き戻されたように焦っている。
そう言われると私の方までなんだか照れてしまって顔をパタパタ仰ぐ。
「お仕事探すのもですけど、この家のことも頑張りますね。今日は豚汁なので、そのつもりで帰ってきてください」
夜ご飯のメニューを伝えると
「まじか！やった！終わったらすぐ帰る！！」
想像以上に喜んでくれた。
「じゃまた夜ね」
「はい。あの…」
「うん？」
「忙しいのに電話ありがとうございました」
「俺がしたかったからしただけ。じゃね」
「あなたのご主人は優しいね？」
電話を切ったあと足元にいるボニータに話しかけると、おやつくれ、みたいなポーズをし始めたので、とりあえずワンちゃん用のおやつをあげた。
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作者名：にこ
| 作成日時：2023年11月11日 20時
