36 ページ37
＊
「ただいま〜」
「おかえりなさい」
中島さんが帰宅し、玄関までお迎えに行く。
「え、なんかおかえり言われるのやばい。
めっちゃ嬉しいかも」
中島さんがとても喜んでいる。
「そうなんですか？それなら毎日言いますよ。
今の私、それぐらいしかできないから」
「それぐらいじゃない。十分だって。ありがとう」
私の肩をポンポンとして手を洗いにいってしまう。
「ねー、お腹空いてるー？」
自分の部屋にコートを掛けに行きながら部屋をまたいで質問してくる。
「空いてますよ」
「よかった。
俺めっちゃ空いてるからさ。青木さん全然食欲なかったらどうしようかと思って」
「お昼が少なかったので、さすがに空きました」
「そうなんだ？」
ダイニングテーブルの上に弁当の袋がどん、と置かれた。
「昼はあんまり食欲なかったの？」
「そうですね。そんながっつり食べようとは…」
「ちゃんと食べないと」
心配そうにこちらを見ている。
「そうですよね。夜はちゃんといただきます。焼肉好きですし」
「うん。しっかり食べな？それにひとりより一緒に食べる方がもりもり食べられそうじゃね？」
「それはそうかも」
「だろ？一緒に食べられる時はなるべく一緒に食べようよ」
「わかりました」
夜ご飯のあとはお風呂を済ませて、あとは寝るわけだが、やっぱり今日もベッドを使えと言われてしまう。
「働かざるものベッドで寝るべからずだと思うんですよ」
「はは！なにそれ」
「だって絶対中島さんの方がお仕事終わりでお疲れなのに、家でボニちゃんとのんびりしてた私がベッドで寝るなんてさすがにそれは申し訳なさすぎます」
「そう言われても、女性をソファで寝せるのは俺のポリシーに反するから」
「もう十分過ぎるほど良くしてもらってるので、ポリシーとか私には適用しなくていいです」
「いやいや」
と苦笑している。
「あ、わかった。とりあえず、今から俺は仕事をしようと思ってたの。曲作りたくて。
その部屋に今から
＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 314人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にこ
| 作成日時：2023年11月11日 20時
