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「仕事はどうするの？」
「もう、行けないです。彼の店なので」
「そっか…」
「新しい職も見つけないと…やることが多いな…」
自分に言い聞かせるようにつぶやく声に
「ゆっくりやっていったらいいよ。俺ができることあったら助けるし」
優しく返してくれた。
「ありがとうございます」
「うん」
あまり不憫だ不憫だと思われるのも私としても惨めなので、じめじめした空気を変えるように
「今日は迎えにきてくれてありがとうございました。
頼れる人もいなかったので、すごく救われました」
明るくお礼を言った。
「いーえ。どういたしまして。
人の家で落ち着かないかもだけどくつろいでよ。
風呂入れてくるから、先どーぞ」
「ありがとうございます」
お風呂に行く前に、しっかりあったまってきな、とは言ってもらったけど、なるべくささっと風呂は済ませた。
湯船にゆっくり浸かったりしたら、これから先の不安なこととか余計なことを考えてしまいそうで。
「お先しましたぁ」
「お、上がった？早くね？ちゃんとあったまった？」
ソファから立ち上がり近づいてきた。
「はい、大丈夫です」
「それならいいけど。
てかその格好、それ服？それで寝るの？」
寝巻きは一応持ってきたけど、寝る用に持ってきたのはパジャマだった。ほんと、ざ・パジャマ！みたいなやつ。
まさか中島さん宅で寝泊まりするなんて思ってなかったし。
「あの…私パジャマしか持ってなくて」
「いいじゃん、パジャマ」
「中島さんの前でいきなりそんな格好するのもどうかなと思って、やめました」
「え？なんで？寝やすいやつ着ろよ。
てか俺もパジャマだよ。
2人で仲良くパジャマパーティーしたらいいじゃん」
仲良くパジャマパーティーという単語には笑いが漏れたが
「いや〜あんまり無防備すぎかなと。
今日はこれで大丈夫です。あ、寝床は汚すことないので心配しないで下さい。綺麗な服ではあるので」
と今日のところは断った。
「いや、そこ心配してねーけどさ。ま、いいや、青木さんがそう言うなら無理にとは言えないし。
俺も風呂入ってくるね」
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作者名：にこ
| 作成日時：2023年11月11日 20時
