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「お、いいじゃん。
薔薇はグループの象徴的な花でもあるし、特別好きなんだよね」
「誰かにプレゼントするならやっぱり薔薇なんですか？」
「薔薇が多いね。でも別に誰にでも渡してるわけではないから。友好の証とか、感謝の気持ちとか、その時々で込める感情は違うし」
「そうなんですね」
気になっていたことを聞いてみてもいいかな…
「薔薇って、本数で意味が違うのご存知ですか？」
「知ってるよ」
「…そう、なんですね」
�爐犬磴∋笋砲�れた5本の薔薇も、意味を考えて選んでくれたんですか？��
という質問はあまりに直接的すぎて聞きづらい。
「ふふ。なかなか良い意味だったでしょ？」
黙ってしまった私を見て笑って言ってきた。
「中島さんは…その…私と出会えて嬉しいと思ってくれてるんですか？」
「そうだよ」
思いやりのある優しい返事だった。
今の中島さんは私の男友達になりきってくれてるから、こういうこともさらっと言えちゃうのかな。
アイドルって夢見せるお仕事だから、中島さんにとってはこれくらいのこと朝飯前なんだろうな。
「んん"。そろそろケーキを持ってきてもよろしいかな？」
近くにいたおじいちゃんマスターが咳払いをして尋ねてきた。
「あ！いいです！すみません！お願いします！」
ほんわかした気持ちを現実に引き戻すように慌てて返事をすると、じゃあ持ってきますね、とマスターは微笑んで厨房の方へ行く。
「俺、ここでケーキ食べるの初めてかも」
「私もです」
「そっか。楽しみだね」
「はい」
スイーツの力はすごい。
ケーキを食べると彼氏の件であんなに
「こんな色々ご馳走になっちゃって。ありがとうございます」
「全然。俺、夜しか最近時間なくて。
だから今日、Aが時間とってくれてよかった。
女の子に食事代支払われるなんて初めてされたんだけど」
あれはびっくりしたよ、と言われた。
「レジに行ったら精算すんでます、ってマスターに言われてさ。
そういうかっこいい会計は俺の役目でしょ！って思ってちょっと悔しかった」
「悔しかったって、そんな」
苦笑してしまう。
「いやまじで。ちょっと惚れちゃった」
「はい？！」
「友達として、な？」
「そ、そうですよね！！」
誤解を生むような言い方しないでほしい、と思うがそれは心の中にしまっておく。
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作者名：にこ
| 作成日時：2023年11月11日 20時
