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花の名前と特徴などが書かれた手描きポップをひとつひとつ眺めながら、狭い店内を縫うように歩く1人の男性に視線をやる。
その視線に気づいた彼がニコッと笑って近づいてきた。
「完成ですか？」
「はい。お待たせしました。
こんな感じでどうでしょうか？」
出来上がった花束を見せると、いいですね、と満足そうに受け取ってくれた。
そして、またお願いしますね、と言って退店していく。
彼、中島健人が私の働く花屋に来るのはこれが初めてではなかった。
うちは個人経営の花屋だが、店を気に入ってくれているのか、贈答用の花束を購入にこれまでに何度か来店してくれていた。
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作者名：にこ
| 作成日時：2023年11月11日 20時
