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兄妹だから ページ10

探偵社の皆の目線が痛い。

私はしたかったからしたのだけどね。

中也に盗られる訳にはいかないからね。

「手前ッ!」

中也が怒り心頭で私の服を掴んでくる。

「中也?」

雪無だけが訳が分からずぼんやりとしていた。

こんな時でも君は他人行儀なのだね。

自分の事だよ?

「手前も何されてんだよッ!」

中也が何故怒っているのか分からない雪無はまだぼんやりとしている。

「何で怒ってるの?」

困った様に眉を寄せた。

あぁ、綺麗だな。

そんな表情でさえも私の物にしたい。

私と兄妹であっても、君に愛して欲しいんだ。

「何で実の兄にこんな事されて平然としているんだよ!!」

中也が雪無に掴み掛かりそうな程の勢いで叫んだ。

「治がしたいならすれば良いよ」

さして興味を示さずに雪無が言った。

その行動は、私を愛しているからじゃ無いのだろう?

君の愛と私の愛は違うのだろうね。

分かっているからこそ苦しいよ。

「…手前自分の意思はどうなんだよ?」

中也が言うと、雪無は首を傾けた。

「嫌だよ、だけど兄さんだし」

興味無さそうに言う。

「…私だからかい?」

ほんの少しだけ、期待してしまう。

「知っている人間だからね。中也はしたかった?」

期待は脆く崩れた。

人を愛する心を持っていない雪無。

本当に欲しい雪無の心が手に入らない。

君は人を愛したいのだろう?

なら、私を愛してくれ給えよ。

「ッ!!其れは結婚してからする!」

中也が赤い顔で叫ぶ。

結婚?させないけど?

「そう」

雪無が探偵社を見回す。

どうせ退屈したのだろう?

「おいでよ」

「うん」

雪無が黙って此方に来た。

その目は眠そうだ。

ぽすっと私の肩に頭を預けて目を閉じた。

そんな事されたら我慢出来ない…。

襲いそうなのだけど。

「此方来いよ!」

「んぅ?」

雪無が目を擦りながら中也をぼんやりと見詰めた。

本当に猫の様だねぇ。

雪無が私から離れようとした。

「駄目」

「何でぇ?」

口足らずな話し方が可愛い。

「私とは会ってくれなかったのに中也には会っていただろう?」

その事は許せないのだ。

「手前に愛想尽かしたんだよ」

中也が雪無を私の手から取りながら言った。

「中也、君は雪無の同僚でしかないのだけど?」

「婚約者だって言ってんだろ!」

「うん、婚約者だね」

雪無がコクリと頷いた。

「え?」

中也を認めてるの?

私じゃなくて、中也が側にいて欲しいのかい?

怖い?→←君のじゃ無いのだけど



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設定タグ:文スト , 太宰治 , 双黒   
作品ジャンル:恋愛
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彼岸花(プロフ) - ハクさん» ありがとうございます!外しますね! (2017年4月28日 6時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - 更新頑張ってください!あとオリジナルフラグついちゃってますので外した方がいいですよ! (2017年4月28日 0時) (レス) id: 394f4347ab (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 和さん» ありがとうございます!兄妹難しいですね…。大分大変です。更新頑張ります! (2017年4月21日 6時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 兄弟愛大好きです!!更新いつまでも待ってます! (2017年4月21日 6時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸花 | 作成日時:2017年4月16日 10時

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