君は馬鹿だ ページ8
太宰side
何で私の姿で探偵社に何て来るのだろうか?
私の前で敦君達に触れて。
馬鹿なのかなぁ?
私と同じ顔なのに、妖艶で美しいのだから誰かに取られるかも知れないだろう?
「雪無、此処に居るのだろう?」
異能力までバラしたのだ。
今更中也の所に行かれては困る。
「治、私に拒否権何て無いのだろう?」
やや呆れた様に雪無が言う。
勿論帰す気なんて無い。
「そうだよ。そろそろ普通に話したらどうだい?」
雪無の事だから私に間違えられて殺されるとでも思っているのだろう。
そんな事出来る訳が無いのに。
「…そうするよ。兄さん」
不意に演技を解いて雪無が言った。
考えが分かったのだろうね。
でも、治とは呼んでくれないのかなぁ?
「嫌だよ」
「…おいでよ」
いち早く返答されて、私は雪無を自分の方に呼ぶ。
すると、首を振った。
「遠慮する」
「何もしないのだけど」
昨日のキスが嫌なのは分かるけど。
私の気持ちに気付かない君も悪いのだよ?
ずっと君が好きで焦がれていたのだから。
なのに、中也と付き合っていて結婚するなんて言うのだからね。
「…兄さん、私は昨日調べたんだよ?」
普通に話したら兄さんと呼ぶのだから不愉快だ。
「谷崎君達はどうなんだい?」
二人を指差す。
私は雪無とキス以上の事がしたいのだから。
雪無は信じるだろう?
目の前でこんな事をしているのだからね。
「ふむ、其処の二人みたいにすれば良いの?」
自分の目で見て決める君は信じるよね?
「うん、そうだよ」
「太宰!?」
国木田君が驚いているけど気にしない。
「何すれば良いの?」
雪無が少しだけ好奇心の孕んだ瞳で笑った。
此れだから私に操られて中也にも操られるのだよ。
君は楽しんでいるけどね。
内心私は心配なのだよ。
中也に君を盗られてしまわないかとね。
雪無が私に肩を預けた。
私とは違う華奢な身体が私に寄り添う。
とてつもなく壊してしまいそうだ。
そのままメチャクチャに出来たら良いのに。
自分だけの物にして、鳥籠にでも入れてしまいたい。
「兄さん?」
心配そうな声が聞こえて我に返った。
「何?」
「探偵社の人達が固まってるけど」
物珍しそうな雪無の目線を辿る。
其処には赤い顔や青い顔の探偵社の人間。
「…太宰、まさか妹に手を出しているのか?」
真っ青な国木田君が言った。
その時、探偵社に大きな声が響いた。
「雪無は俺の婚約者だ!!」
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彼岸花(プロフ) - ハクさん» ありがとうございます!外しますね! (2017年4月28日 6時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - 更新頑張ってください!あとオリジナルフラグついちゃってますので外した方がいいですよ! (2017年4月28日 0時) (レス) id: 394f4347ab (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 和さん» ありがとうございます!兄妹難しいですね…。大分大変です。更新頑張ります! (2017年4月21日 6時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
和(プロフ) - 兄弟愛大好きです!!更新いつまでも待ってます! (2017年4月21日 6時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彼岸花 | 作成日時:2017年4月16日 10時