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私の気持ち ページ24

森さんの側に居るか…。

ふと、中也の笑顔が浮かんだ。

私と付き合った時の嬉しそうな顔が。

そうだ、何て言ったっけ?

「俺の物だッ!」

「え?」

何で今中也の声が聞こえるの?

此処は私の部屋だ。

後を振り返る。

「中…也」

部屋の入り口に中也と治が立っていた。

「中原君、雪無は私のだが?」

森さんが冷ややかに中也を見ていた。

「森さん、雪無を買い取らせて頂きますよ」

「太宰君私は雪無君を売らないよ?」

抱き締める力が強く身動きが出来ない。

「俺の婚約者で、コイツは物じゃ無いです」

中也がハッキリとそう言った。

優しい人だ。

「君は雪無君が好きなのだね?」

確認の様に森さんがそう問うた。

中也は真っ直ぐに私を見詰めていた。

「太宰君もかね?」

治は少し眉を潜めていた。

「森さんこそどうなんです?」

「そうだねぇ。私の側に雪無君は居るだろうね」

私の髪を撫でて優しく囁く森さん。

「俺は雪無の事が好きです!だから、離してくださっ…」

「中也ッ!」

其の言葉に反応した私の身体は異能力で中也を斬り付けていた。

治が直ぐに気付き中也の方に走ったが遅かった。

血飛沫が部屋にくるくると舞い落ちる。

ドサリと中也が倒れた。

私の…異能力で中也を…?

「イヤアアアアアッ!」

何で?

どうして私はこんな事をしたの?

何故?

其れは、自分の身体が勝手に…。

「何で…中也ッ!」

駆け寄るが青白い顔の中也。

私に彼の側に行く資格はある?

今は中也の怪我を治さなきゃ。

目を閉じて青い顔をしている中也。

「…ッあ…ごめん、なさい」

近くによって私は怪我を異能力で治した。

私の異能力はこんな時に助かる。

「雪無君」

名を呼ばれて振り返る。

森さんが厳しい表情をしていた。

私は怪我を負わせたかったんじゃ無いよ。

「違う!私は何も…身体が勝手に…」

言っている事が可笑しい。

自分がして置いてこんなに言い訳をして。

「雪無、落ち着くんだ」

治の冷静な声に我に帰る。

「中也は君の異能力で命の危険性は免れたよ」

「分かってるよ…」

それ位分かる。

中也が目を覚ましたら?

私はどうすれば良いの?

中也はもう私に笑い掛けてくれないかも知れない。

軽蔑されるかも知れない。

そんなの嫌だ。

嫌われたくない、私は…。

私は?

「…酷いなぁ」

今更気付いたよ。

中也が好きなんだ。

今更遅い、私はもう君の隣には行かないよ。

此の気持ちも留めよう。

さよなら→←家族



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設定タグ:文スト , 太宰治 , 双黒   
作品ジャンル:恋愛
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彼岸花(プロフ) - ハクさん» ありがとうございます!外しますね! (2017年4月28日 6時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - 更新頑張ってください!あとオリジナルフラグついちゃってますので外した方がいいですよ! (2017年4月28日 0時) (レス) id: 394f4347ab (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 和さん» ありがとうございます!兄妹難しいですね…。大分大変です。更新頑張ります! (2017年4月21日 6時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 兄弟愛大好きです!!更新いつまでも待ってます! (2017年4月21日 6時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸花 | 作成日時:2017年4月16日 10時

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