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「首領さんの部下ですが、基本中也と芥川君の補佐ですよ?」
慌てて弁解する彼女を眺めて、私は思考を巡らせる。
「もしかして、三社異能力戦争の時に作戦を立てたのは君かい?」
その言葉に真っ青になった。
「私は作戦自体は立ててません」
「森さんにアドバイスか何かしたのだろう?」
「其れは、少しだけ」
観念した様に認めた。
私達を組ませたのは森さんだろうが、ギルド達とのバトルを仕組んで口寄せしたのは彼女だろう。
「それ自体は怒っていないさ、でも森さんとずっと居ただろう?」
「エリスと遊んでましたよ?」
キョトンと私を見上げた。
「其処に森さんは?」
「居ましたよ。写真を撮ってましたが」
写真を、ねぇ。
壊してもらいたいね、彼女を撮るなんて。
「何で森さんの下に付いたの?」
頑なに言おうとしない彼女に、再度聞く。
「其れは、何と無くです」
私から視線を外しながら答える。
「嘘が下手なのだから、直ぐにバレるけど?」
拗ねて私を睨んで来た。
久し振りにそんな表情をされたら可愛過ぎる。
「言いません」
「じゃあ、言って貰える様にしようか」
私の言葉に奏が真っ青になって首を振る。
「遠慮しますから!何で探偵社の人は楽しそうなんでしょうッ!?」
後を向くと皆、嫌特定の人間がニヤニヤしていた。
「ほら、早く」
「えっ!?国木田さん、助けて下さいませんか?」
「お、おう」
何で私以外を頼るかなぁ?
私は彼を振り返り、笑う。
「邪魔しないでくれ給えよ?」
皆固まり、絶句した。
その事に諦めたらしく奏は肩を落とした。
「医者を続けても良いと言われたんです」
嬉しそうに誇らしそうに彼女が笑った。
考えなくは無かったが、一番嫌な選択だった。
「人を殺さなくても良いと言われたので」
安心した様に、笑う。
其れは全て森さんに向けられた物だ。
私は怒りでどうにかなりそうだった。
私の奏に何で信頼されているのだろう?
許さない、夜色の感情が沸々と沸き起こる。
「だからなるの?」
「もう止めれないですから」
少し悲しそうに目を伏せた。
「じゃあ、探偵社に入れば良いじゃあないか」
ゆるく首を振った。
私が拒絶された気がした。
「何で?」
彼女の真意を測り兼ねて問う。
「今担当してる患者様がいるので」
少し拍子抜けな答えが返って来る。
彼女らしいと言えば彼女らしかった。
「心配して損したよ」
「好きじゃないですよ?」
全く心配させてくれるなぁ。
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彼岸花(プロフ) - 和さん» ありがとうございます!結構中也さんて書きやすくて多めにしちゃうんですよ。是非、楽しんで読んで下さいね! (2017年3月25日 13時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
和 - 前作も読ませていただいてました!中也のもどかしさがなんともカッコいい!!双黒万歳!!更新楽しみにしてます! (2017年3月25日 12時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彼岸花 | 作成日時:2017年3月24日 17時