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奏side
「おはようございます」

国木田さんが探偵社に入って来た。

その瞬間目を剥いて赤くなった。

「どうしました?」

「何をやっているのだー!」

「分かりません」

今の状況を思い出して、私は答える。

俗に言う壁ドンの真っ最中だ。

こんな事をして何が楽しいかは分からない。

「奏さん嫌がら無いと太宰さんは止めませんよ」

「敦君嫌何ですか?」

「えっと、嫌では無くてその…」

よく分からないが嫌では無いらしい。

「奏が照れるかなと思ってね」

「其処まで。何時もこんな距離だし」

治が楽しそうに言った。

照れる発想は無かった。

治の綺麗な黒髪を撫でる。

其れから、私は今朝届いた物を思い出した。

「治、私の薬の実験台になって?」

「私嫌な予感しかしないのだけど」

飴玉をポケットから取り出して、見せる。

「ふふっ、絶対楽しいと思うけどなぁ」

「そうかい?なら食べさせてよ」

私は飴玉の包を開けて治の口に入れる。

「美味しいじゃあないか」

私は楽しみで口角が上がる。

勿論、仕返しだ。

「太宰さんッ!?」

「何だね敦君」

そう言った治の声は幼く高い。

私が作っちゃった。

「えへへ、可愛い!」

直ぐ様、抱き付く。

「え!?奏てか何か大きくなった?嫌、私が縮んでいるじゃあないか!?」

「可愛い!前遊ばれたからその仕返しだよー」

可愛い小さな治を抱き上げる。

「奏」

「ん?んんッ…」

唇が重なり口内に入って来たのは飴玉。

飴が溶けて消えるまで唇は重ねられ、口内が唾液で一杯になる。

「酷い!」

自分も小さくなったのが直ぐに分かった。

「幼くなりましたね」

「敦君助けてー」

「駄目」

ヒョイっと捕まえられて、小さな治が目の前に来る。

「その姿でも嫉妬するのか」

「国木田君、私はどんな姿であってもそうなのだよ」

「あれ?治背低い」

自分よりも高いのは変わらないが少し低かった。

「可愛いですわ!」

ナオミちゃん達が褒めてくれる。

「何だい二人して、小さくなったのかい」

「与謝野先生、私が作ったんですよ!」

「お菓子いる?」

乱歩さんがお菓子を持って来てくれる。

私は食べたくないな。

「よし、ポッキーゲームをやろうじゃないか!」

「社内でそんな事をするんじゃない!」

「ポッキーゲームって?」

そんな遊び聞いた事が無い。

「ポッキーを両端から食べていって折ったら負け」

そう言って私と治は両端を咥える。

「…甘い」

私の舌が甘く痺れた。

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設定タグ:文スト , 太宰治 , ヤンデレ   
作品ジャンル:恋愛
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彼岸花(プロフ) - 和さん» ありがとうございます!結構中也さんて書きやすくて多めにしちゃうんですよ。是非、楽しんで読んで下さいね! (2017年3月25日 13時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
- 前作も読ませていただいてました!中也のもどかしさがなんともカッコいい!!双黒万歳!!更新楽しみにしてます! (2017年3月25日 12時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸花 | 作成日時:2017年3月24日 17時

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