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奏side
「早くしろ!」
焦った彼の声が聞こえる。
ヤバイ、私は直ぐに部屋を出た。
「待ってー、中也」
「遅ぇんだよ」
呆れた様に中也に、デコピンされた。
「今日が任務って忘れてたんだよ」
「手前、病院だったら遅れてただろ」
「ふふっ、其れはない。絶対に忘れないし」
私はマフィアをしながら、医者に復帰した。
此れは、治さんの側にいたら無かった事だろう。
もし、マフィアで人を殺したら其の何倍も何十倍も人を救う。
でも、四年前よりはそんな事は少ない。
「あぁ？俺との任務を忘れる程どうでも良いって事かよ？」
怒った様で、私の肩に伸し掛かって来た。
「わー、違うよ！」
可愛い一面がある彼に弁解する。
「そうかよ」
「うん、中也嬉し？」
少し恥ずかしそうな彼をいじる。
「あぁ？うっせ」
面白いのでそのままにする。
「あ、芥川君!」
長身になった芥川君。
私が見上げるのかぁ。
「奏か」
「治さんに認めて貰ったんだってね」
少し胸が痛むのを感じながら、笑い掛ける。
芥川君はずっと嬉しそうだから、笑ってないと。
「僕が…奏も頑張れ」
恥ずかしかったのか、明後日の方向を向きながら芥川君が言ってくれる。
本当に嬉しいなぁ。
「うーん、そうだね」
曖昧に返す。
だって、一度も会っていないのだから。
首領さんに止められてるし、会えない。
会いたいけど、今は探偵社に居るって聞いたから。
私が行ったら迷惑だと思うから。
「無花果をやる」
グイッと目の前に出されたので、パクリと食べる。
二人は本当に優しいからマフィアでやって来れた。
「ん、ありがと」
「手前は普通にそんな事をすんじゃねぇよ！」
少し頭をはたかれた。
「えっと、ごめん？」
「はぁっ、手前は気を付けろ」
何でか分からないけれどそう言われる。
「明るくなったよなぁ」
わしわしと頭を撫でられる。
私は撫でられるのに弱いので、大人しくなる。
「うん、二人のおかげだよ」
私はもう二人を失いたくない。
言いたい事は、直ぐに言って置こうって決めた。
「素直になったよなぁ」
にやりと余裕の笑みをして、中也が笑う。
結構ドキリとする。
でも、直ぐに浮かぶのは四年前から変わらない彼の姿。
「そうかな？」
そう聞いて、中也の背中に自らの背中を合わせる。
「手前其れはどう言う意味だぁ？」
「嫌、別にちっさいとかはー
其処で私は言葉を失った。
私の瞳には彼がいた。
あの頃よりも背の高い。
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彼岸花(プロフ) - 和さん» ありがとうございます！結構中也さんて書きやすくて多めにしちゃうんですよ。是非、楽しんで読んで下さいね! (2017年3月25日 13時) (
レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
和 - 前作も読ませていただいてました！中也のもどかしさがなんともカッコいい！！双黒万歳！！更新楽しみにしてます！ (2017年3月25日 12時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花 | 作成日時：2017年3月24日 17時
