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「すいませんでした!」

朝起きた彼女が第一声でそう言った。

もう少し、私の腕の中で眠っていて良いのに。

「嫌、昨日の君は可愛かったよ」

顔を真っ赤にさせて頭を下げた。

まぁ、彼女が幼女だと思い手を出さない様にしたがね。

結構応えた事は、変わりない。

「本当にどうかしてました」

「おや、私が慰めては不安かね?」

ブンブンと頭を振って、笑った。

「眠れましたし、ありがとうございます」

「また来ると良い」

次は歯止めが効かないかも知れないがね。

其れは仕方ない。

「奏、私と家族にならない?」

ナイス!エリスちゃん!

後でケーキを幾らでも買ってあげるよ!

「家族…?」

予想に反して彼女が泣き出してしまった。

「ええっ!!奏君!?」

「違うんです!嬉しいけど、嬉しいけど無理なんです」

手で顔を覆いながらそう言った。

嬉しい?私と結婚するのが?

「其れは何故かね?」

「私の姉を思い出すからです」

彼女に姉が居たのは初耳だった。

けれど、横に居ないのは。

「殺して、しまったのかい?」

僅かに動き肯定した。

「リンタローとは結婚出来ないの?」

エリスちゃん!本当に良い子だ!!

私が聞けない事を!

「え?首領さんと?」

あ、分かっていなかったのだね。

「駄目かしら?」

エリスちゃんが奏君の顔を覗き込んで聞いた。

「ごめんエリス。私は幸せになっちゃ駄目だから」

何処か自分に言い聞かせる様に言った。

「其れは、誰であってもかい?」

「はい。姉は、結婚して幸せな家庭を築く事が夢だったんですよ」

寂しそうに微笑した。

忘れてしまえとはどうしても言えなかった。

ずっと、姉に縛られて居るのだろう。

太宰君が知ったらどうなるだろうね。

太宰君に縛られている様で、姉にもっと縛られている彼女をどうするだろうね?

「ごめんなさい、こんな話して」

「奏元気出して」

「うん」

艶やかに微笑んだ彼女を見ながら、私は考える。

彼女が医者になったのは姉を救いたかったからだろうか?

患者が姉と重なるのだろうか?

其れなら、太宰君と君の繋がりはとても脆くて儚い物だ。

放って置けない上に状を移したのか?

だが、彼女を戦場にはやれない。

絶対にやらない様にしよう。

「エリスちゃんケーキがあるよ!」

「いる!」

直ぐにエリスちゃんが走って来て、ケーキを食べだした。

其れを見て、微笑んでいる彼女に提案する。

「奏君、病院にもう一度復帰しないかね?」

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設定タグ:文スト , 太宰治 , ヤンデレ   
作品ジャンル:恋愛
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彼岸花(プロフ) - 和さん» ありがとうございます!結構中也さんて書きやすくて多めにしちゃうんですよ。是非、楽しんで読んで下さいね! (2017年3月25日 13時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
- 前作も読ませていただいてました!中也のもどかしさがなんともカッコいい!!双黒万歳!!更新楽しみにしてます! (2017年3月25日 12時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸花 | 作成日時:2017年3月24日 17時

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