依存 68% ページ23
「すいませんでした!」
朝起きた彼女が第一声でそう言った。
もう少し、私の腕の中で眠っていて良いのに。
「嫌、昨日の君は可愛かったよ」
顔を真っ赤にさせて頭を下げた。
まぁ、彼女が幼女だと思い手を出さない様にしたがね。
結構応えた事は、変わりない。
「本当にどうかしてました」
「おや、私が慰めては不安かね?」
ブンブンと頭を振って、笑った。
「眠れましたし、ありがとうございます」
「また来ると良い」
次は歯止めが効かないかも知れないがね。
其れは仕方ない。
「奏、私と家族にならない?」
ナイス!エリスちゃん!
後でケーキを幾らでも買ってあげるよ!
「家族…?」
予想に反して彼女が泣き出してしまった。
「ええっ!!奏君!?」
「違うんです!嬉しいけど、嬉しいけど無理なんです」
手で顔を覆いながらそう言った。
嬉しい?私と結婚するのが?
「其れは何故かね?」
「私の姉を思い出すからです」
彼女に姉が居たのは初耳だった。
けれど、横に居ないのは。
「殺して、しまったのかい?」
僅かに動き肯定した。
「リンタローとは結婚出来ないの?」
エリスちゃん!本当に良い子だ!!
私が聞けない事を!
「え?首領さんと?」
あ、分かっていなかったのだね。
「駄目かしら?」
エリスちゃんが奏君の顔を覗き込んで聞いた。
「ごめんエリス。私は幸せになっちゃ駄目だから」
何処か自分に言い聞かせる様に言った。
「其れは、誰であってもかい?」
「はい。姉は、結婚して幸せな家庭を築く事が夢だったんですよ」
寂しそうに微笑した。
忘れてしまえとはどうしても言えなかった。
ずっと、姉に縛られて居るのだろう。
太宰君が知ったらどうなるだろうね。
太宰君に縛られている様で、姉にもっと縛られている彼女をどうするだろうね?
「ごめんなさい、こんな話して」
「奏元気出して」
「うん」
艶やかに微笑んだ彼女を見ながら、私は考える。
彼女が医者になったのは姉を救いたかったからだろうか?
患者が姉と重なるのだろうか?
其れなら、太宰君と君の繋がりはとても脆くて儚い物だ。
放って置けない上に状を移したのか?
だが、彼女を戦場にはやれない。
絶対にやらない様にしよう。
「エリスちゃんケーキがあるよ!」
「いる!」
直ぐにエリスちゃんが走って来て、ケーキを食べだした。
其れを見て、微笑んでいる彼女に提案する。
「奏君、病院にもう一度復帰しないかね?」
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彼岸花(プロフ) - 和さん» ありがとうございます!結構中也さんて書きやすくて多めにしちゃうんですよ。是非、楽しんで読んで下さいね! (2017年3月25日 13時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
和 - 前作も読ませていただいてました!中也のもどかしさがなんともカッコいい!!双黒万歳!!更新楽しみにしてます! (2017年3月25日 12時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彼岸花 | 作成日時:2017年3月24日 17時