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奏side
「奏さん急患よ!」

看護師の緊迫した声が聞こえる。

自分が何処に居るのかを再度理解させられる。

「分かった。手術の用意を後輩君」

私は直ぐ様其処に行って手術の用意と、状態チェックをした。

自分が医者なのが嬉しくて誇らしい。

「用意出来ました!」

「OK、メス」

私は人を捌いて手術をする。

一度のミスも許されない。

手術をしながら私はそう思った。

患者が望んでいるのは、医療マシーンだ。

命をどれだけ助けるかだ。

状が移って手元を狂わせる医者何ていらない。

「手術は成功だ」

後輩君が喜んで出て行った。

私は直ぐに部屋を出る。

ーーー
プルルルッ、

「はい」

直ぐに電話を取ると焦った声が聞こえた。

「先生!手術まではいかないんですが、怪我をしまくってるんです!」

後輩の必死な声に、直ぐに病院へと来た道を戻った。

「やぁ、奏」

此れはどういう事だろうか?

「何で治さんがいるんです?」

怪我をしていた。

「崖から落ちたのだよ」

何でも無さそうに言う彼。

普通なら死んでいる。

「何でそんな事ばかりするんですか!」

彼を思わず抱き締める。

無事で良かった。

「奏は私の事が嫌いになったかい?」

こんな時だけしおらしそうに彼が言う。

そんな所も愛しくてたまらない。

置いて行った事よりも、只無事でいて欲しい。

「嫌いになれませんよ」

「其れは良かった。私入院しないとだねぇ」

自分の怪我を見ながら彼が嬉しそうに言った。

「まさか、私が治さんの家に行かないって言ったからですか?」

コクリと頷かれ、私は心底後悔した。

でも、もう私はいらないでしょう?

「私は君が居ないと駄目なのだよ」

ドキリとする程嬉しい事を言われる。

「治さんのバカ」

何で自分を大切にしないんですか!

そう言いたいのに涙が溢れ、止められない。

彼が傍に居る事が嬉しくて。

「もう一回やり直そうじゃあないか」

私はその言葉が嬉しくて待ち望んでいて、また涙が溢れた。

「絶対に中也にも先越されたくないし」

「中也にも?」

「そ、敬語も無し!勿論呼び捨てだから」

変に張り合っている。

「私は治さんしか見てませんよ?」

そう言うと、唇を奪われた。

「守れなかったら罰としてキスしていくよ」

楽しげに彼が笑った。

「あ、これじゃご褒美だね」

「病院ではしないで下さ…ん」

言葉が途切れる。

「勿論、何時でもだよ」

有無を言わせず彼は私の唇を奪って言った。

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設定タグ:文スト , 太宰治 , ヤンデレ   
作品ジャンル:恋愛
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彼岸花(プロフ) - 和さん» ありがとうございます!結構中也さんて書きやすくて多めにしちゃうんですよ。是非、楽しんで読んで下さいね! (2017年3月25日 13時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
- 前作も読ませていただいてました!中也のもどかしさがなんともカッコいい!!双黒万歳!!更新楽しみにしてます! (2017年3月25日 12時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸花 | 作成日時:2017年3月24日 17時

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