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派手じゃあ困る 宇髄天元 ページ6

宇髄side
もぐもぐとリスのように団子を頬張っているマリアを見てため息が溢れた。

顔立ちは整っているし、化粧、少し紅を引くだけでも派手になるというのに。

鈍感で地味なコイツは一切しようとしない。

「この前やった紅はどうした?」

「あれですか?ありますよ」

ポケットから出てきたのは俺がやった筈の紅だった。

蓋を開ければ一回も使っていない。

「お前、何で使ってないんだよ」

「だって、勿体無くて使えませんよ」

当然とでも言いたげにマリアは言った。

「使え!お前にやった意味がねぇだろ!」

「でも…」

「つけてこい!」

半場強引につけさせる。

すると、白い肌に真っ赤な紅が良く映えた。

結われている黒髪を解けばパサリと肩にかかる。

長い黒髪と肌が紅をより強調させる。

「悪くねぇな!派手にいい!」

「そうですか?」

ニコリと笑えば紅をひいて髪をおろしているせいか妙に艶かしく映る。

「あ、嗚呼…」

「宇髄さん?顔が赤いですよ?」

「派手に良いけどよ、着物も着替えるぞ!」

「え?」

せっかくなのだ、派手にしてやりてえ。

着物屋に入りド派手に綺麗な着物を選ぶ。

「よし、着てこい」

「えぇ!?宇髄さん!ちょっと…」

着物屋の女将達がサッサとマリアを連れて行ってしまった。

「派手に可愛いな…」

艶かしく弧を描いた唇を思い出して少ながらずドキリとした。

いつものように地味な格好をしていなければド派手に綺麗なのだ。

ふと、キラリとした光るものが目に入る。

「お、簪か」

マリアに良く似合いそうな簪を一つ買いまた着物屋に戻った。

「宇髄さん!」

一瞬マリアが出てきた瞬間目が眩んだ。

赤い紅と鮮やかな着物が何とも言えない程綺麗だ。

派手に可愛いが、本人は無理矢理着せた事に対して怒っている。

きゅっと眉がつり上がり俺の方を睨んでいる。

「悪かったな、派手に似合ってるぞ」

ポンポンとマリアの頭を撫でれば嬉しそうに笑った。

「本当ですか?」

ぱあっと色付く頬が林檎のようだ。

「ド派手に可愛いな!」

「ド派手に着飾りましたからね!」

嬉しそうに笑っているマリアに視線が集まっている。

ちらちらとマリアに話しかけたそうにして男どもが集まっていた。

「…お前は地味なままが良いな」

「酷い!さっきと言ってる事違いますよ!」

「バカ、俺の前でだけ着飾ればいんだよ」

綺麗な姿は俺だけが知っていれば良い。

そんな男の嫉妬は地味にかっこ悪いな。

未亡人 宇髄天元→←子供みたいな人 鋼鐡塚蛍



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彼岸花(プロフ) - 怜さん» 教えて頂きありがとうございます (2019年10月28日 21時) (レス) id: faf1357482 (このIDを非表示/違反報告)
- 吾妻ではなく、我妻ですよ! (2019年10月28日 11時) (レス) id: c22c3e248f (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 怜さん» 了解です! (2019年10月26日 16時) (レス) id: faf1357482 (このIDを非表示/違反報告)
- リクで、黒死牟を出してください!内容は、恋愛物ならなんでもいいです! (2019年10月25日 20時) (レス) id: c22c3e248f (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 心さん» 了承です!ありがとうございます(*^^*) (2019年10月22日 20時) (レス) id: faf1357482 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸花 | 作成日時:2019年10月15日 22時

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