愛 18 ページ18
なら、何で少しだけ悲しそうな嬉しそうなごちゃまぜの表情をしてるの？
鶴丸の事が全然分からない。
鶴丸は私の事分かってくれてるのに。
「大丈夫だ。主、心配しないで良いぜ」
「うん」
そんなふうに言われたら何も聞けないじゃん。
「主、一期一振が了解したと言っていたぞ」
「ありがと」
お礼を言えば彼はにっこりと笑った。
「主、無理はするなよ」
鶴丸にチュッと額に口付けられた。
「え？」
「はははっ、驚いたか？」
ニカッとやっといつもの表情に戻った。
「驚いたけど…鶴丸が元気になったんだったら良いかな」
今度は鶴丸が驚いたのか固まってしまった。
「きみは本当に狡いなぁ」
狡いと言う割には嬉しそうに鶴丸は笑った。
「そう？」
鶴丸の方がよっぽど狡いわ。
私の行動を咎めてちゃんと導いてしまう。
私は主なのに鶴丸に何も返せてない。
「きみといると目を離せない」
それは良い事なのかな？
「あー！あるじさまそんな所で寝てたら風邪をひきますよ！」
ドタドタと今剣ちゃんが走って来る。
「今剣ちゃん、心配してくれてありがと」
起き上がれば鶴丸から引き止められた。
「鶴丸？」
「鶴丸、あるじさまに何してるんですか！」
グイッと今剣ちゃんに持ち上げられる。
「え？ひゃっ！今剣ちゃん私重いよ！」
「軽いですよ」
ニコニコと今剣ちゃんが私を持ち上げる。
何だか私の方が子供だ。
実際そうなのだが何だか恥ずかしい。
「きみ、言っとくがそいつもじじいだからな」
「それでも可愛いんだもん」
可愛過ぎるよ、でも強いのが良いんだよね。
「あるじさま、部屋に戻りましょう！」
「う、うん。あの、そろそろ下ろして」
何となく羞恥の事態に顔が赤くなるのが分かる。
あんまりこうやって抱えられたりとかないし、テンパってしまう。
「大丈夫ですよ！」
「いや、でも…恥ずかしいもん」
「主が恥ずかしがるなんて初めて観るなぁ。きみ、こっちも見てくれよ」
グイグイと鶴丸が引っ張るから必死に今剣ちゃんの胸に顔を埋める。
「きみ、それはないぜ！俺だってきみを抱き締めたい」
「恥ずかしいからっ！///」
こんな慣れない事されたら恥ずかしいに決まっている。
ヒョイっと身体が宙に浮いた。
「え？きゃあっ！」
「主は軽いなぁ」
「三日月！？」
私を持ち上げたのは鶴丸でも今剣ちゃんでもなく三日月だった。
「主、あちらで茶でも飲もう」
「分かったから下ろして///」
本当に下ろして欲しい。
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作者名：彼岸花 | 作成日時：2019年4月21日 15時
