トリップしたいなんて言ってない！ 中

漫画の世界　71 ページ21

ふむ、実を言うと目星い事件を見つけたかったんだ。

ジサツ、事故、テロ、殺人、こうしてみれば多い、流石米花町と言った所だろうか。

「これ…」

さっそく目星い事件を見付けて端に寄せて5分足らずで事件の種類を分け終わった。

「あの、夢奈さん！」

風見さんの書類で気付かなかったが同僚が集まっていた。

「何でしょう？」

「僕と一緒にランチでも…」

参った、自分で所持しているお金はないのだ。

「ごめんなさい、財布を忘れてしまって、また今度行きませんか？」

「是非！あ、僕で良ければ教えますよ！」

それは助かる、好青年はどうやら一番新人のようだ。

「俺も教えるよ」

好青年の横に背が高い男が立っていた。

「ありがとうございます、手伝える事があったら言って欲しいです」

「報告書はね…」

詳しく彼らが教えてくれる。

なるほど、公安が何をしているか大体分かった。

「では、書類を出しに行ってきますね」

パタパタと降谷さんの部屋へと行けば降谷さんが寝ていた。

静かに扉を閉めて隣に座ってみる。

「起きないなぁ」

持って来た資料の目星いもの、詰まりこの事件は真実ではないと思うものを机に並べる。

やっぱり殺人だと言われたこの事件はジサツだと思うし、でも証拠は少ししかない。

それに交通事故だがこれは出来過ぎている、何というか図られたと感じる。

勘だが、この資料を見ているだけでも楽しい。

寝ている降谷さんの髪が揺れ光が透ける。

この人を好きだと思ったけどやっぱり憧れのようだ。

好きならフリでも婚約者になれて嬉しい筈だし、私は嬉しいとは思っていないから憧れに近い筈だ。

「綺麗な石…降谷さんの瞳みたい」

降谷さんから貰った指輪は本当に綺麗な物だフリなのにこんな事して貰ったら申し訳ないけど…

「好きだなぁ」

そう言えばと自分の携帯のフォルダを開く。

恋人に貰った指輪の写真だが、降谷さんに貰ったのとを見比べてみる。

何だか、降谷さんから貰った物の方が綺麗で特別に見える。

あ、そうだ、少しの悪戯心で私はカメラを起動させた。

カシャッと機械音がして降谷さんの寝顔を撮られる。

机に置かれた降谷さんの携帯を開きフォルダを見ればやっぱりまだ写真が残っていた。

全て削除して降谷さんの携帯に先程撮った写真を転送する。

待ち受け画面を降谷さんの寝顔に変えてしまう。

人の写真を撮ったのだ、これくらい覚悟してもらわないとね。

上機嫌で私は風見さんの居る仮眠室へと足を運んだ。

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