検索窓
今日:10 hit、昨日:1 hit、合計:99,903 hit

漫画の世界 62 ページ12

「何で無茶ばかりするんですか…僕が来てなかったらどうしたんです?」

「ふぁ…お願いっ、痛いの…やめ、て…」

執拗に押される手が退く事はなく痛くて痛くて涙が溢れた。

「駄目です。貴女は頬を叩かれても涙一つ浮かべずに反省もしなかった」

そんな事を言われても、今回のは段違いに痛いのだ。

「あぁ、酷い…うっ…あ、安室さ…」

やめて欲しいなんて言えば彼はもっとしそうだ。

シュルリと包帯が解かれて傷口が露わになる。

「何回も、刺されたんですか?複数の傷が…治るどころの話じゃない」

何回も刺されたが、正直何回かは覚えてない。

「ジュルッ…白い肌なのに、貴女が危ない事ばかりするから痕が残りそうですね」

腹部の血を安室さんが吸い取る。

「あ、やだ!やめっ!痛いの!」

激痛が走り目がチカチカと火花が散る。

「傷口に菌が入っているかも知れないから、大人しくして下さい。僕の背中に爪を立てても良いですよ」

「ふっ…う…」

彼の背中には爪を立てずに私はぎゅうっと彼の背中を抱きしめた。

「消毒代わりだと思って下さい」

ようやく離してくれた安室さんが私の腹部を撫でた。

「ん…も…しないです」

痛かったし、身に沁みて分かったから。

「泣き顔…可愛いですね。そんな趣味はないんですが、そそりますね」

ぺろりと彼は真っ赤な舌で唇を舐めた。

「やっぱり安室さん嫌いです」

「おや、身体で分からせるべきですかね?」

スルッとまた私の服の中に安室さんの手が入り込んだ。

「ハニトラしようなんて思わないようにね」

「怒ってます?」

やっぱり電話切った所かな?

「えぇ、他の男に触らせようなんて思うなよ」

「ッ!///」

耳元で低く低く囁かれた。

「僕だけでしょう?赤井に何かされませんでしたか?」

怪しげに微笑む彼は格好いい。

「されてませんよ。拳銃を赤井さんが見せてくれて、撃たせてくれたんです」

一生の思い出になるくらい嬉しいが安室さんが気に食わなそうにコチラを睨む。

「貴女は僕が必死に探してる時に随分とお楽しみだったようですね」

「ま、まぁ楽しかったですね、怒られましたが」

棘があるがそんなに赤井さんが嫌いなのか。

「FBIに本当に入るんですか?」

頷けば彼は呆れたようにため息をつく。

「…赤井さん見ませんでした?」

勝手に出て来たから帰らないとね。

安室さんはわずかに睨み言った。

「赤井が動いたと情報が入って来たんですが、何処かは分かりませんね」

漫画の世界 63→←漫画の世界 61



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (56 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
220人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

シュレイ - あのすみません、細かいところですが、発振器ではなく発信機だと思いますが。 (2020年5月21日 1時) (レス) id: 132ffd09d3 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - yunaさん» 凄く恥ずかしい間違いばかり、すみません、書き直しますね。教えて下さり有難う御座います! (2018年11月25日 22時) (レス) id: a8eb0affba (このIDを非表示/違反報告)
yuna(プロフ) - すみません、作品が面白くもったいないのでいくつか使い方が間違っているところを指摘させていただきます。(中:70)の、”痴女のもつれ”じゃなくて”痴情のもつれ”です。あと、(上:45)の”かぶりを降れば”は”かぶりを振れば”が正しいと思います。 (2018年11月25日 22時) (レス) id: 816513f0c9 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - まりんごさん» ありがとうございます!楽しんで貰えれば幸いです! (2018年11月12日 21時) (レス) id: a8eb0affba (このIDを非表示/違反報告)
まりんご - とても面白かったです!頑張って下さい! (2018年11月12日 21時) (レス) id: d23e2c0308 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:彼岸花 | 作成日時:2018年10月31日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。