トリップしたいなんて言ってない！上 (ページ47)

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漫画の世界　47 ページ47

「違っ、FBIは関係ないです！」

関係ない私が決めた。

「赤井に会ったんだろ？貴女がFBIになるには誰かの助けが必要だ。アイツが良いのか？」

流石に赤井さんに会ったのはバレたか。

「提案されただけで私の意思です」

ギリッと彼は唇を噛み締めた。

「降谷さん！血がっ！」

唇が切れているのに彼は気にもとめていない。

コツンッと何かが車のガラスを叩いた。

降谷さんと私はそちらを見る。

「赤井ッ！」

「君達はこんな所に車を止めて何をしている？」

此処は人気の無い路地だ。

バタンっと音をさせて降谷さんが車を出る。

「お前が彼女にFBIに来いと行ったのか？」

「私の意思です！」

どうして赤井さんのせいにするのだ。

自分で決めたのに、赤井さんのせいじゃないのに。

「勧めたが、来るのか」

フッと彼は楽しそうに笑う。

何故、こんなに怒ってる降谷さんの前に出て来たのだ？

「行かせないぞ、貴女の意思だろうと許さない」

「何で…」

一つは降谷さんに迷惑をかけたくないのだ。

「…夢奈ちゃん？」

蘭ちゃんの声に三人共ビクリと肩を震わせた。

「蘭ちゃん、今帰り？」

蘭ちゃんは訝しげに二人を見ていた。

「うん、そうなんだけど…」

「じゃあ、送って行くよ」

少しでも引き離そうと彼女の手を掴んだ。

「良いの？」

「うん！帰り道危ないでしょう？」

ニコリと微笑む。

「夢奈さん、まだ話が…」

「ありませんよね？安室さん」

有無を言わせぬ圧力で言い押し黙った二人を残して蘭ちゃんの家の方へと歩く。

「夢奈ちゃん、何かあったの？」

心配そうな蘭ちゃんがこちらを見た。

「何もないよ。少しだけ口論になっちゃって」

正直な所彼女が来てくれて助かったのだ。

「それって、もしかして夢奈ちゃんの取り合い！？」

「取り合い？違うよ！」

ふっと彼女の発想の豊かさに笑みが溢れる。

「そ、そうなの？」

「うん、ちょっとした留学の話でね」

可愛いなぁこんなに強くて優しい娘を待たせてるんだから、新一君早く帰ってこないとね。

「留学するの？」

「決まってないの、少ししたいなって言ったら怒られちゃった」

怒るとは思わなかったんだけどね。

「安室さんに！？」

「少しね、ほら着いたよ。また明日ね蘭ちゃん」

まだ何か言いたそうな表情の蘭ちゃんの肩を軽く押す。

「新一君の話聞いたけど、蘭ちゃんにベタぼれみたいだね」

「えっ！新一が！？///」

顔を真っ赤にさせる蘭ちゃんに愛しさが込み上げる。