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漫画の世界 35 ページ35

「僕を信頼してくれただけで十分ですよ」

「最近積極的ですね…」

「貴女が可愛いからですよ」

まぁ高校生に手を出されるのは嫌だからだ。

どうやら僕の顔は嫌いじゃなさそうだし、彼女には僕の方が格好良く映るようだから。

「正直まだ信じられないけど安室さんと会って良かったと思います」

「本当ですか?」

丸く薄いグレーの瞳を覗き込む。

「はい、だって漫画じゃ知れない安室さんを観れましたから」

僕らの世界が漫画の世界だとは余り実感がないが彼女が嬉しそうだから良いだろう。

「赤井には会ったんですか?」

「いえ、一度も会ってませんよ」

彼女は赤井の顔が好みのようだし会わせたくはないな。

「会ったら逃げて下さいね」

「え、そっちの方が怪しまれるって身を持って体験しましたけど」

確かに、彼女は会った瞬間に僕から逃げ出した。
会っただけの彼女に一目惚れするとは思わなかったが、何度も彼女には逃げられた。
直ぐに発振器をつけてなかったら見つからなかっただろう。

「そうですね、結構傷付いたんですよ」

警戒するのに家にはホイホイついて来るような抜けてる彼女は愛しいが、危ないのだ。

「あの時は混乱してたし安室さんが怖かったんですよ」

「怖かったですか?でも、安安と男の家に来ては駄目ですよ」

抱き締める身体は男の力ならば直ぐに抵抗出来なくなるのだから。

「安室さん、最初からハニートラップで…来たから…」

コクリと眠ってしまった。

「無防備ですね、手を出されても何も言えませんよ」

身体を預けて寝てくれる程信頼してくれてるのだろうけど、これは身体に毒だ。

彼女の柔い身体に自分の身体は反応してしまう。

「はぁ…起きて下さい」

「んぅ、ヤダ、眠いの…安室さ、んも寝よう」

幼くなる彼女が可愛く、まるで駄々っ子のようだ。

「駄目です、ちゃんとベットに行って下さい」

「安室さん、連れてって」

幸せそうに笑う彼女が僕に抱き着く。

「なっ!夢奈さん!///」

仕方なく彼女をお姫様だっこでベットへと運ぶ。

高校生の癖にとんだ色気だ。

ハニートラップを僕がしたと言ったが貴女の方がしていると心の中で少し零す。

「有り難う」

「貴女はッ!///」

勘弁してくれ、僕だって男なのだからこんなに信頼されても困る。

信頼して欲しいが男とは意識して欲しい。

「おやすみなさい」

「…君のせいだからな///」

すやすやと眠る彼女の唇に口付けた。

世の中には寝込みを襲う悪い男だっているんだよ。

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彼岸花(プロフ) - れんさん» ありがとうございます(*^^*) (2019年9月20日 20時) (レス) id: faf1357482 (このIDを非表示/違反報告)
れん - 面白い☆彡 (2019年9月20日 17時) (レス) id: 24330c091d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸花 | 作成日時:2018年10月11日 0時

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