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漫画の世界 28 ページ28

悲鳴が聞こえた方に走って行けば二人はもう遺体の方にいた。

「頭部ですね」

「コナン君、何か変わった事ある?」

一目見て変わった事と言えば頭部の切り口が綺麗過ぎる事と血が一滴も出てない事かな。

「この遺体、土の匂いがする」

土?此処は土もあるが?

「この痕も気になりますね」

沖矢さんが遺体の腹部にあった何か押し付けられた痕を指で指した。

「薬品の匂いか…」

近付けば薬品の匂いが香る。

ヒントが転がっていて面白い、これは楽しくなってきた。

「エンバーミングだよ、犯人はエンバーミングになれている。そしてそんな事が出来るのは多分数少ない」

「どうして?」

コナン君がキョトンっとする。

「エンバーミングは知ってる?」

「遺体を元通りにする仕事だよね」

「そう、この遺体やけに薬品臭いんだよ。それに切り口が余りにも慣れた人の犯行だし血は少ししか出てない。しかも遺体が綺麗過ぎるし何かで治した跡がある」

嗚呼、高校の授業よりも楽しいじゃないか。

似たような事をやっていたからだろうか?

「エンバーミングが出来る人間を探しましょうか」

沖矢さんがコクリと頷いた。

「コナン君、靴跡とかあった?」

「ないよ、本当に遺体だけしかないんだ」

やっぱり几帳面なようだ。

ん?でも遺体にあった痕…。

「そうか!沖矢さん!最近警察が来たエンバーマーを調べて!」

「警察が来て慌てて隠した痕って事だよね」さっすがコナン君!

「うん、多分ね。彼の家に行けば分かると思うよ。几帳面な人だからね」

「薬品で漬けて腐らないようにしてるんだ」

「そう、彼の家に完成された遺体がある。それも綺麗な繋ぎ目だから一瞬人が眠ってるようにしか見えない程のね」

只の推測に過ぎないけど。

「コナン君、夢奈さん、見つけましたよ」

沖矢さんがこちらに駆け寄って来て一人の男性の写真を見せる。

「大学教授なんだ」

「えぇ、今は大学の方にいらっしゃるようですよ」

「そうですか、じゃあ午後になりますね」

うーん、面白い事を考えついてしまった。

良いよね?自分を知ってる人はいないのだし。

「今からその大学に向かいますが夢奈さんも来ますか?」

コナン君もちらりとこちらを向いた。

「いえ、安室さんが心配するので帰ります」

コナン君と沖矢さんは拍子抜けしたように肩を落とした。

「お姉さん、もしかして何かしようとしてる?」

耳元でコソッと言われる。

コナン君の頭を撫でてにっこりと私は微笑んだ。

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彼岸花(プロフ) - れんさん» ありがとうございます(*^^*) (2019年9月20日 20時) (レス) id: faf1357482 (このIDを非表示/違反報告)
れん - 面白い☆彡 (2019年9月20日 17時) (レス) id: 24330c091d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸花 | 作成日時:2018年10月11日 0時

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