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漫画の世界 24 ページ24

「彼氏いないんでしょ?だったら俺と一度付き合ってみない?」

「一度ですか?」

「そう。本気なんだ、俺と一度付き合って考えてくれない?」

何と断れば良いんだろう?

「先輩はそれで良いんですか?」

「うん、君と付き合えたら嬉しい。だから、付き合ってくれない?」

手を捕まれ凄い勢いで頼まれる。

どう言えば正解だろう?

付き合った方が丸く収まるかも知れないな。

「夢奈さん!」

鋭い声が私を呼んだ。

「あむ、ろさん」

此処は高校の中庭なのに入って来れたんだ?

「夢奈ちゃんの知り合い?」

「はい、お世話になってる人です」

ツカツカと彼は歩み寄って来る。

「その手を離してくれるかい?」

安室さんがニコリと微笑む。

「な、俺達は話をしてるだけだしアンタに関係ないだろ」

「関係あるよ。彼女は僕のだからね」

グイッと引っ張られて安室さんの方に倒れ込む。

「安室さん、ちょっと待って…」

先輩を背に歩き出してしまう。

「安室さん、速いです!」

歩く歩幅が速く学校を出ても私は引きずられるように歩く。

怒ってる?私の声にも反応してくれないし。

「安室さん、怒ってます?」

「当然だろ」

怒りを押し殺したような声にビクリと身が跳ねる。

「只の告白ですよ、別に何かされた訳じゃないです」

「只の告白?貴女は付き合おうとしたじゃないですか」

何で分かったんだろう?

丸く収まるから良いかと思ってたんだ。

「図星ですか」

何でこんな鋭いんだろう?

流石は探偵と言うべきか。

「それなら、彼より僕と恋人になって下さい」

本当に私の事を好きなのかと疑ったがまだハニートラップを続けているようだ。

「安室さんは梓さんのような…きゃっ!」

ガンッと私の後ろの壁に安室さんの拳が叩きつけられた。

「僕が好きなのは貴女です。ちゃんと僕の事を考えてくれませんか?」

するりと手が私の体を滑った。

彼の細く長い指が私の唇に触れる。

「安室…さん?」

「駄目ですね、家に帰りましょう」

抱き抱えられて家へと帰る。

「やっ、降ろして下さい!」

周りの視線が痛く、生きた心地がしない。

「降ろしますよ、家に着いたので」

ニコリと微笑む彼が私を優しくベットへと降ろす。

「んんっ!?んー!!」

降ろされたと思えば唇が合わさり口付けられる。

「ふっ…う、安室、さっん!」

苦しいのに艶めかしい彼の唇は弧を描く。

「何です?ハニートラップな筈ないでしょう?僕は本気なんです」

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彼岸花(プロフ) - れんさん» ありがとうございます(*^^*) (2019年9月20日 20時) (レス) id: faf1357482 (このIDを非表示/違反報告)
れん - 面白い☆彡 (2019年9月20日 17時) (レス) id: 24330c091d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸花 | 作成日時:2018年10月11日 0時

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