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漫画の世界 16 ページ16

貴方の瞳の方が宝石のようだなんて、何でもかんでも口にするべきじゃないのにいつも言ってしまうから。

「さっき何を言いかけたんですか?」

「うーん、分かりません」

曖昧に私は返事をした。

映画の内容なんて頭に入らなかったがコナン君と二人きりで少し話をさせて貰おう。

「安室さん、ちょっと待ってて下さい!」

サッと走ってコナン君を捕まえる。

「コナン君、少し時間貰える?」

私と安室さんを見比べてコナン君はコクンっと了承した。

「二人きりが良いんですが…」

ちらりと私の横にいる安室さんに言う。

何故待ってて下さいと言ったのに来たんだろう?

「何故ですか?」

「えっと、コナン君にだけしか聞かせられない話だからです」

スッと彼の瞳が細まる。

「僕には教えてくれないんですか?」

「ええ、じゃあ!」

譲る気はなく、私はコナン君の手を引いて歩き出した。

コナン君を引っ張りカフェに入る。

「お姉さん、話って?」

コナン君がこちらを見つめる中ゆっくりといきさつを話す。

自分がトリップしてしまった事、此処は漫画の世界だと言う事、安室さんに疑われている事。

「その、信じて貰える?」

聞き終えたあと、暫く彼は黙っていた。

黙っている彼のその手がジュースへと伸び虚空を切った。

「あっ!」

バシャっと机にこぼしてしまった。

「お姉さん、ごめんね!」

直ぐに彼は私の袖に溢れたジュースを拭ってくれた。

「大丈夫だよ」

「お姉さん、じゃあ安室さんが公安警察って事も知ってるの?」

「うん、知ってるよ。赤井さんも蘭ちゃんの事も知ってる」

やや困った様に彼は笑った。

「信じるよ、お姉さん嘘なんてついてないし嘘つく理由もないから。まだ信じられない事もあるけどね」

良かった、やっと信じてくれる人がいた!

「良かった、コナン君が信じてくれなかったら私安室さんに頼るしかなかったの!」

「嫌なの?」

「嫌じゃないけど、疑われてるしハニートラップを仕掛けてくるから…」

正直な所信じようにも信じられないのだ。

その点コナン君は命の危険もないし変な事はしないだろう。

「お姉さん、それ…話を聞いた限りだと違うと思うよ」

「どうゆう事?」

目の前にいるコナン君に聞けばうーんと頭をひねった。

「コナン君、こんな所で何をしているんですか?」

私の背後から声が降ってきた。

え?これってさ、まさかね、まさかだよね。

振り向けばその男はにっこりと微笑んだ。

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彼岸花(プロフ) - れんさん» ありがとうございます(*^^*) (2019年9月20日 20時) (レス) id: faf1357482 (このIDを非表示/違反報告)
れん - 面白い☆彡 (2019年9月20日 17時) (レス) id: 24330c091d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸花 | 作成日時:2018年10月11日 0時

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