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第百六十七話 ページ20
寮に戻って、ベットに倒れる。
「また明日・・・か。」
俺は、彼女には何も与えることができない。
アメリアとゼノは孤独を溶かした。
彼女にふれ合った。
俺は、何を与えた？
俺は、何を彼女に与えられる？
何もない、何も与えられない。
羨ましい。
失ってなお、必死に前を向く彼女が羨ましい。
アメリアがいて、ゼノがいて、クロエがいる。
俺は、そこに居るのだろうか？
ただ彼女の運命に紛れ込んだ
そもそも俺は・・・
いや、よそう。
疲れているからこんな考えが浮かぶんだ。
もう寝よう。
明日はもっと楽しくなる。
そう思いながら、目を閉じた。
【翌日】
「おはよう、エドさん。」
そう言って、挨拶をしてくる彼女。
「ああ、おはよう。クロエ。」
そう言って、互いの席につく。
まだちょっと、吸血衝動が残っている気がするが、それも段々収まってはくるだろう。
そうして、時間は放課後に飛ぶ。
「こうして見ると、まるで姉弟みたいだ。」
と思う。
「あら、なら私が姉かしら？」
俺は、肩をすくめる。
どうも、俺は彼女には叶わない。
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