第三十七話 ページ39
「似合ってる」かぁ・・・
まいった、誉められなれてないんだよな。
照れ臭さかったので頭を少しかいて「ありがとう」と礼を言う。
さてしかし、どうしたものか。
「・・・ね、ねぇ。」
と、彼女がたどたどしく聞いてくる。
「さっき、胸が少しだけ痛かったんだけど・・・わかる?」
と聞かれた。
「・・・病気?」
そう答えると呆れられて「ごめんなさい。忘れて。」と言われた。
自分から聞いてきたくせにと、心の中で愚痴っていると。
「そういえば、本の話なんだけど。」
と彼女が話題を変える。
本の話題だったので俺は食い付いた。
「吸血鬼と人間の恋愛ってどう思う?」
それを聞いた俺は顔をしかめ、「駄目だよ。」と即答した。
「
俺は疲れた老人のように笑って、少し固まった彼女にこう言う。
「ほら、吸血鬼って夜にしか動けないニートだよ?良いの?」
と暗い雰囲気を誤魔化すためにそういう。
硬直からとけたのか彼女はいつも通り、冷たくこういった。
「・・・聞いただけよ。私は誰とも契約するつもりはないから。」
それを聞いた俺は少しだけ笑って、優しい顔で「よかった。」と呟いた。
「さ、そろそろ始まる。お喋りは一旦止めよう。」
そうして会話を無理矢理きった。
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