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．
「行ってきます、とキルア様が仰るのは貴方様だけにですね。」
「……羨ましい？」
「いいえ、そのようなことは。」
嵐が過ぎ去った後のように静まり返った客室に、ゴトーの声が響く。
私はソファの背もたれにもたれかかりながら、ひとつ息を吐き出した。
「ゾルディックの血を継がない私は、キルアに対する執着とも言える独占欲がないからね。キルアはそれを敏感に感じ取って私を安全圏だと思ってるんだよ。」
「…血が繋がらないことを隠されるのは、お辞めになられたのですか？」
「イル兄が言いふらして回ったんだ。私が機嫌を損ねてしまったらしくて。」
「左様でございましたか。」
ゴトーは、私がこの家に来た頃からずっといる執事だ。
なので、私の生い立ちを知っている数少ない人間でもある。
音もなく目の前に出されるティーカップ。それをゆっくりと口に含んで、目を見開く。
「…毒、いれてないのか。」
「ここは執事の屋敷でございます故、毒を入れたら皆死にますので。」
「……そ、うか…それはそうだ。」
屋敷で出されるものには全て、微量の毒が入っている。
舌が痺れる程度に慣れるまで10年近くかかったが、今ではもうなんとも思わなくなっていたはずだった。
ゾルディックの敷地内で毒の含まれない食事がどれほど貴重なものか。
…いや、これは単なるゴトーの気遣いか。
ゾルディックの執事たるもの、雇用主にいつ紅茶を淹れるのかわからないのだから、きっと内ポケットの中に毒はあるはず。
「ゴンは、面白い子だった？」
「……ええ、とても。」
「キルアの友達になるにはあれくらいぶっ飛んでないと務まらないだろうね。」
ゴンは、不思議な子だ。
純然たる善性を持っているように見えるのに、そうでは無い。
ならば悪性かと問われると頷けない。
恐らく、あの子はどちらにもなり得えてしまうのだろう。
たまたま、長閑に過ごせる環境を手に入れたから善性の面が表に出ている。
しかし、あの子がゾルディックのような闇に呑まれた環境で育っていたならば…。
…想像したくも無いな。
「A様、花の準備どういたしますか？」
「ああ、お願いするよ。いつもありがとう。」
「いえ。では5分ほどこちらでごゆっくりとお寛ぎください。」
そう言って客室を出て行くゴトー。
…そうだ、今日はまだ『リリー』に挨拶して無いや。
忙しくて、気がつかなかった…今まで、こんな事はなかったのに。
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甘夏蜜柑(プロフ) - 故に、主人公は周りとは違う料理を作って合格、という流れになっております。こちらの回答でご納得頂けましたでしょうか？ (2021年11月2日 0時) (
レス) id: 1b56a79d5d (このIDを非表示/違反報告)
甘夏蜜柑(プロフ) - ゆうさん» コメントありがとうございます。注意書きにも書いてありますが、この小説は『新アニメ版』に沿って書かせていただいています。新アニ版では、『指定食材は豚・用意された調理器具を用いる』以外に条件はありません。(続きます) (2021年11月2日 0時) (レス) id: 1b56a79d5d (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - コメント失礼致します。h×h見たことありますか？試験で出た課題は豚の丸焼きだから皆豚の丸焼きを持っていったんです。豚の丸焼きしか出来ないからではありません。これでは主人公だけ不合格です。 (2021年10月30日 14時) (レス) @page5 id: ad9804768a (このIDを非表示/違反報告)
甘夏蜜柑(プロフ) - きなこマカロニさん» ありがとうございます笑 (2021年9月24日 1時) (レス) id: 1b56a79d5d (このIDを非表示/違反報告)
きなこマカロニ - コメント失礼します！自給自足って大切ですよね((好きすぎます、是非とも妄想を詰め込んじゃってください！！ (2021年9月23日 20時) (レス) id: 4314947012 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘夏蜜柑
| 作成日時：2021年9月18日 16時
